ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その19)
2020年02月25日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の19回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅧ)
~職場のメンタルヘルス不調の背景因子(職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑧~
◎勤労者のメンタルヘルス評価法(勤労者の心療内科的健康評価法)ⓑ
A.メンタルヘルス評価対象(心療内科的健康評価対象)(ⅱ)
2.メンタルヘルス不調の有無(心療内科的健康不調の有無)
⇒メンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)とは、「勤労者の心の健康の保持増進のための指針(勤労者のメンタルヘルスの保持増進のための指針(勤労者の心療内科的健康の保持増進のための指針))」(メンタルヘルス指針(心療内科的健康指針))(厚生労働省、2006(平成18)年)で定義されているメンタルヘルス医学用語(心療内科的健康医学用語)で、「メンタルヘルスおよび行動の障害(心療内科的健康および行動の障害)に分類されるメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、勤労者のメンタルヘルス、社会生活(勤労者の心療内科的健康、社会生活)および生活の質に影響を与える可能性のあるメンタルヘルス的(心療内科的健康的)および行動上の問題を幅広く含むもの」をいいます。すなわち、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)の有無あるいはそのメンタルヘルス疾患の種類(心療内科的健康疾患の種類)によらず、何らかのメンタルヘルス面の不調(何らかの心療内科的健康面の不調)により、生活などの多少なりとも支障が生じているメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)であり、疾病性(メンタルヘルス科確定診断(心療内科確定診断)、メンタルヘルス科重症度(心療内科重症度)、メンタルヘルス科治療法(心療内科治療法)など)より事例性(メンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)本人や周囲にどのような困難、メンタルヘルス問題(心療内科的健康問題)が生じているか、またそのメンタルヘルス不調者本人(その心療内科的健康不調者本人)や周囲の背景にどのようなメンタルヘルス事柄(心療内科的健康事項)があるかなど)を重視したメンタルヘルス視点(心療内科的健康視点)に立った概念です(図1)。以前に広い範囲で使用されていた「メンタルヘルス不全(心療内科的健康不全)」は、メンタルヘルス不調とほぼ同義(心療内科的健康不調とほぼ同義)であると考えられます。
職場のメンタルヘルス対策(職場の心療内科的健康対策)にとっては、特定のメンタルヘルス疾患の罹患者(心療内科的健康疾患の罹患者)だけでなく、メンタルヘルス不調者全体(心療内科的健康不調者全体)に目を向けた取り組みも重要です。
◇図1 メンタルヘルス不調の概念(心療内科的健康不調の概念)
『ストレス過多、メンタルヘルス科診断基準(心療内科診断基準)までは満たさないメンタルヘルス面の問題(満たさない心療内科的健康面の問題)により、以下のようなメンタルヘルス状況(心療内科的健康状況)に陥っている例
・出勤が困難である
・仕事の効率が落ちている(仕事のパフォーマンスが低下している)
・人間関係のメンタルヘルス問題(人間関係の心療内科的健康問題)を起こしている
・多量多飲による体調不良を来たしている
・周囲に強い心配をかけている
・家事ができない、など』
3.ストレス反応
⇒ストレス反応は、身体面、メンタルヘルス面、行動面(心療内科的健康面、行動面)の3つの変化に大別することが可能です(表1)。ストレス反応は、身体面、メンタルヘルス面の軽度(心療内科的健康面の軽度)のものであれば、誰もが日常的に経験しており、異常として扱うべきではないが、通常より程度がひどく、持続期間も長い場合には、仕事や日常生活に支障を来たし、また健康障害(メンタルヘルス障害)(健康障害(心療内科的健康障害))に進展する恐れもあることから、メンタルヘルス科専門(心療内科的健康科専門)(精神科・心療内科)的な介入のメンタルヘルス対象(心療内科的健康対象)となります。また、ストレス反応の大半は非特異的なストレス反応であり、身体疾患を背景として出現する場合が少なくないことにも注意が必要です。
◇表1 おもなストレス反応
『●身体面のストレス反応
→不眠傾向、易疲労感、全身倦怠感、食欲不振、胃腸障害(下痢・便秘)、動悸、胸苦感、頭痛、肩こり、悪心、腰痛など
●メンタルヘルス面(心療内科的健康面)のストレス反応
→抑うつ(気分が憂うつ)、不安、イライラ、怒り、緊張、焦燥感、自責感、無力感、意欲低下、判断力低下、集中力低下など
●行動面のストレス反応
→社会活動性の低下、ミスの増加、仕事の効率の低下(業務遂行能力の低下)、不安全行為、不法行為、反社会的行為、喫煙・飲酒量の増加、生活リズムの不規則化など』
ストレス反応には、種類によって、ストレスが高まるにつれて徐々にストレス反応の出現率が高くなるもの、ある一定水準を超えると急にストレス反応の出現率が増すものなど、ストレスとの関連に相違があることがメンタルヘルス報告(心療内科的健康報告)されています(メンタルヘルス項目反応曲線(心療内科的健康項目反応曲線))。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。