職場復帰支援(リワーク支援)no.2 | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

職場復帰支援(リワーク支援)職場復帰支援(リワーク支援)no.2

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職場復帰までの道のり

2.リハビリ期(職場復帰を見据えつつ、焦らずに気力・体力を整える)

薬物と休養による治療の効果が徐々に現れてきて、うつ病の症状が改善してくる時期です。ただし、ここで職場復帰を急ぐと、うつ病が再発して結果的に職場復帰が遅くなってしまいます。この時期は職場復帰のためのウォーミングアップの時期と考えるとよいでしょう。

<生活・睡眠覚醒リズムの回復>

職場復帰に合わせた生活リズムをつくるようにしましょう。決まった時間に起きて身じたくを整え、散歩に行くなど、少しずつ生活リズムを元にもどしていきましょう。
この時期もっとも重要なのが、睡眠覚醗リズムを整えることです。うつ病が回復しても、不眠がいつまでも残ってしまう患者が少なくありません。出勤時間に合わせて決まった時間に起床し、短時間でも屋外に出て日光を浴びると、リズムが整いやすくなります。そして、夜は決まった時間に寝て週7日間の規則的な生活リズムを作りましょう。

<体力、集中力の回復>

リハビリ期には、治療専念期に低下したからだの機能を回復させ、職場復帰できるだけの体力をつけることが重要です。たとえばラジオ体操や散歩、近所への買い物など、無理のないところからはじめましょう。
また集中力や注意力などを回復させる時期でもあります。興味のもてる新聞や雑誌などを読むのもよいでしょう。回復のきざしがみられたら、午前中を図書館で読書してみることをおすすめします。集中して読書ができるようになれば回復しているといえるでしょう。週5日間つづけられるようになれば、だいぶ回復してきています。

<こころのリハビリ>

職場復帰すると、多くの場合うつ病を発症した時と同じ環境に身をおくことになります。そこで、ストレスと上手に付き合っていくことが必要になります。そのため「自己分析」をしてみることも大切です。休職までの経緯をていねいに振り返り、文章にしてみましょう。うつ病になった自分の課題に気づき、自分のなかで整理することができれば、対処法を考えることができます。
また、主治医に相談して、ものごとに柔軟に対処できる発想転換法のトレーニングを受けたり、ストレスを発散できる自分なりの方法をいくつかみつけておきましょう。

<リワークプログラムの活用>

リワークとは?

リワークとは職場復帰(return to work)のことです。各都道府県の障害者職業センターがリワーク支援のプログラムを実施していて、リワークの相談にのっています。このほか、精神保健福祉センター、民間の精神科病院などでも「デイ・ケア」として職場復帰支援を行っています。

リワークプログラムでは、毎朝決まった時間に通うことによる通勤訓練や、職業能力回復訓練、うつ病の再発予防教育などが行われます。初期のプログラムでは卓球などの運動を行い、体力をつけるとともに、ひさしぶりの集団生活になじむことが目的です。ひとりで行うリハビリに不安を感じる場合は、主治医に相談して、リワークプログラムを紹介してもらい、参加するとよいでしょう。

●リハビリ期の職場との連携
リハビリ期に入ったら、職場へ連絡しておくとよいでしょう。自分が現在職場復帰に向けトレーニングをしていることや、主治医からはあと何か月休養が必要といわれているか、どのようなプログラムに参加しているかなどを伝えましょう。また会社での職場復帰の手続きや復帰後の待遇や配慮について確認しておくことも大切です。
目的

リワーク支援は、精神疾患等により休職中の方に対し、復職に向けてのウォーミングアップを行うことで、円滑な職場復帰を支援し、職場への助言などを行うことで、職場適応と就労の継続をはかります。(治療を目的としたものではありません)

参加要件
  • ① 回復期にあり、症状が安定していること
  • ② 服薬等の自己管理ができていること
  • ③ 日中のプログラムに参加するための生活リズムが整っていること
  • ④ グループ活動に参加し、自分の体験や意見を話すことに負担がないこと
  • ⑤ 利用者が、復職する意思があり、職場復帰に向け、リワーク支援の利用を希望していること
  • ⑥ 主治医が、利用者の職場復帰に向けての活動、及びセンターの支援を受けることを認めていること
  • ⑦ 雇用事業所が、職場復帰のために利用者がセンターの支援を受けることに同意していること
    ※ 国、地方公共団体及びその職員や、退職された方は対象とはなりません

職場復帰の流れ

職場復帰のコーディネート

対象者、事業主、主治医との相談等を通じて、職場復帰についての3者の意思や意見を確認し、職場復帰に向けた活動の進め方や目標について合意形成を図ります。

まず利用者の方から、事業所及び主治医にリワーク支援利用の意思を伝え、事業所及び主治医の了解を得た上で、相談を進めます。
3者の合意が、支援の実施要件となります。

事前相談

面接や調査等を通じて、状況把握や職場復帰に向けての課題の整理を行います。相談の期間は、3~4週間程度です。

  • ◆対象者、ご家族
    面接や各種のアセスメント(心理検査、作業課題の実施等)を通じ、体調や気分の状態、職場復帰への課題等を把握します。
  • ◆事業主
    職場での状況や、職場復帰に向けての事業所の状況の確認をします。
  • ◆主治医
    病状や支援の留意点等について把握します。
リワークセミナー(プログラムの体験)

リワークセミナーの利用を通して、症状の安定や継続的な通所が可能か確認します。
また、講座の受講を通し、リワーク支援プログラムへの導入を図り、リワーク支援にて取り組む課題等について理解を深めます。リワークセミナーの期間は4週間程度です。

リワーク支援計画の策定

リワークセミナーの状況や、主治医・事業所の意見等を踏まえ、職場復帰に向けた、具体的な支援計両を策定します。

  • ◆リワーク支援計画:支援内容や支援期間を、対象者の状況に応じて個別に計画します。
  • ◆同意書への署名:対象者・事業所・主治医から支援実施に係る同意の署名をいただきます。
リワーク支援

センターに通い、作業やプログラムの受講を行います。
支援の期間は、概ね3カ月程度を目安に個別に設定します。(最長4カ月)

◆プログラムの内容(例)
  • ☆通常勤務に向けた生活リズムの確立、基礎体力の向上
  • ☆体調や気分のセルフコントロールの練習
  • ☆個別作業
    作業遂行に必要な集中力、持続力等の向上
    読書、資格の学習、事務作業課題、OAワーク、簡易な製造作業 等
  • ☆ストレスマネジメントの取り組み
    <ストレス対処法>
    自分の考え方の「くせ」を知り、物事の捉え方や対処を柔軟にする取り組み
    <グループミーティング>
    病気やストレスとのつきあい方、職場復帰後の働き方等をテーマに意見交換
    <SST(ソーシャル・スキルズ.トレーニング)>
    自分も相手も大切にするコミュニケーション(アサーション)を意徹しながら、対人場面でのスキルを練習し、円滑なコミュニケーションを目指します
    <ウォーキング、呼吸法等>
    リラクセーションの取り組み
◆事業所との相談(中間報告会等)

支援期間中に、事業所、対象者、センター間での面談を行います。
面談では、支援の状況をご報告し、職場復帰に向けた相談等を行います。

◆リハビリ出勤支援

必要に応じて復職前にリハビリ出勤支援を行うことがあります。
事業所や利用者の状況により実施しない場合もあります。

※当クリニック内にリワーク施設はありませんが、必要に応じて職場の産業医・看護師(保健師)、上司や人事・労務担当部署とも連携し、各都道府県の障害者職業センターへご紹介もしておりますので、ご相談下さい。

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