誰もが感じる正常な不安ははっきりした理由があってその間だけ続きます。しかし、全般性不安障害の場合、特殊な状況に限定されない、理由の定まらない不安が長期間続き、ついには日常生活にも支障をきたすようになります。
例)天災・不慮の事故や病気などを必要以上に、極端に不安に感じてしまう 等。
全般性不安障害の患者数はパニック障害の患者数より3~4倍多いとされ、1000人に64人くらいが経験すると報告されており、まれな病気ではないと言えます。
不安障害のなかでは一般的で発症は10代半ばが多いですが、精神科にはかなりの時を経て受診するケースが多いです。原因はわかっていないが違法的要因や神経質の性格、現在のストレス状態や自律神経の障害などが発症の影響だと言われています。
仕事や学業、将来、天災、事故、病気などのさまざまな出来事または活動について、過剰な不安と心配があります。しかし、その原因は特定されたものではないです。
不安や心配を感じている状態が6ヶ月以上続いており、不安や心配がない日よりある日のほうが多いです。
不安や心配は、次の症状のうち3つ以上の症状を伴っています。
長期間のベンゾジアゼピン使用は不安を悪化させます。ベンゾジアゼピンの削減は不安症状の軽減につながるエビデンスがあります。同様に、アルコールの長期使用は不安障害に関連付けられています。長期間の断酒が不安症状の改善につながるというエビデンスがあります。
1988 - 90年に、英国精神病院にて精神保健サービスを受けているパニック障害・社会恐怖症・社会不安障害のような不安障害をもつ患者について調査を行いました。その結果、半数がアルコールやベンゾジアゼピン依存でした。これらの患者について、不安症状は最初の離脱の段階で悪化しましたが、ベンゾジアゼピンやアルコールの断薬・断酒によって消失しました。ベンゾジアゼピンやアルコール依存となる前の不安は、依存によって維持され、更に悪化させる方向に進んでいきました。ベンゾジアゼピンからの回復はアルコールからの回復よりも時間を要する傾向にあります。しかし彼らは以前の健康を取り戻すことができます。
治療には薬物療法か精神療法が用いられます。抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は長期間服用した場合、精神的依存や眠気などの副作用があります。
具体的には、抗不安薬や抗うつ薬などを用いて、不安をコントロール可能になるまで軽減、その上で精神療法(認知行動療法など)により自ら不安をコントロールできるようにします。