ホーム > ブログ > 復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その4)
2022年03月05日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の4回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムの発展(復職支援プログラムの発展)の背景①〗
リワークプログラムに発展をもたらした(復職支援プログラムに発展をもたらした)もう一つ大きなメンタルヘルス要素(心療内科的健康要素)は、時代的な背景です。厚生労働省の『患者メンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)』においてメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)をみると、2008(平成20)年にうつ病や躁うつ病などのメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)でメンタルヘルス科治療中(心療内科治療中)のメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)が100万人を超えました。ここで重要なことは、1999(平成11)年と比較してわずか9年後の2008(平成20)年に2倍以上に増えたという点です。このように10年以内にメンタルヘルス障害が2倍(10年以内に心療内科的健康障害が2倍)に増えるなかで、メンタルヘルス障害の表現型(心療内科的健康障害の表現型)が変わってきました。現代のメンタルヘルス障害(現代の心療内科的健康障害)のメンタルヘルス特徴(心療内科的健康特徴)は、①「他罰性」、②「強い不安」、③「過剰な元気さ」、に集約できると考えられます。
他罰性は現代風なうつ病であるディスチミア親和型うつ病や未熟型うつ病というような病型のメンタルヘルス特徴(病型の心療内科的健康特徴)ともされ、周囲の人への配慮がなく、つらいメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)の源を自分以外に求めるメンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)として他罰的言動となります。メンタルヘルス背景(心療内科的健康背景)には自己へ向き合えない自己愛的で未熟な人格があり、現代型パーソナリティ障害との指摘もあります。家庭や学校における育ち方、育てられ方、少子化、逆境への経験不足などがあり、デイケアでのメンタルヘルス不調者間(心療内科的健康不調者間)での仲間体験が重要であるとも指摘されています。
「強い不安」に関しては、現代のメランコリー親和型ともいえる職場結合性うつ病などメンタルヘルス障害の中核的(心療内科的健康障害の中核的)な初期メンタルヘルス症状(初期心療内科的健康症状)が不安症状であり、漠然とした不安感であるが、身体的な緊張感を伴い、不安が強くなれば自律神経症状(発汗、動悸、息苦しさ、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐、発熱など)が出現します。特に対人関係で不安が強くなると、会議や発表、上司の前で極度に緊張する、メンタルヘルス科主治医(心療内科主治医)やメンタルヘルス科外来(心療内科外来)を受診しても、検査上でも所見がなくストレス性とメンタルヘルス診断(心療内科的健康診断)されメンタルヘルス科専門病院(心療内科専門病院)に紹介されてきます。しかし、このような身体症状で始まっても、いずれは “抑うつ状態” を呈するようになります。
「過剰な元気さ」は、抑えられないテンションの高さであるが、一生続けば発揚気質の人と理解されます。しかし、このテンションが続かなければ、メンタルヘルスの波(心療内科的健康の波)を形成することとなり、メンタルヘルスが揚がっても(心療内科的健康が揚がっても)やがてメンタルヘルスが下がる(心療内科的健康が下がる)ことになります。メンタルヘルスが揚がるといっても、せいぜい110%(心療内科的健康が揚がるといっても、せいぜい110%)程度のメンタルヘルスレベル(心療内科的健康レベル)であるが、メンタルヘルスが下がる時は50%(心療内科的健康が下がる時は50%)以下となり “抑うつ状態” だけが目立つことになるので、反復性うつ病など本来とは違うメンタルヘルス障害(違う心療内科的健康障害)と誤ってメンタルヘルス診断(誤って心療内科的健康診断)されることが多いです。しかし、メンタルヘルス不調者本人(心療内科的健康不調者本人)にとってはメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)110%を100%と信じ、メンタルヘルス状態110%(心療内科的健康状態110%)をメンタルヘルス目標(心療内科的健康目標)とするので、時々テンションの高いメンタルヘルス時期(高い心療内科的健康時期)があるものの、低いメンタルヘルス時期(低い心療内科的健康時期)がすぐに来て、復職と休職(リワークと休職)を繰り返します。軽微双極性障害あるいは双極Ⅱ型障害という立派なメンタルヘルス障害(立派な心療内科的健康障害)であり、スペクトラムという連続性のメンタルヘルス疾患(連続性の心療内科的健康疾患)で捉えるという考え方もあります。抗うつ剤ではなく気分安定薬が必要であるが、メンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)はなかなか得られず、薬物療法のみでのメンタルヘルスコントロール(心療内科的健康コントロール)はなかなか難しく、しばしば復職と休職を繰り返す(リワークと休職を繰り返す)ことになります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。