ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その17)
2020年02月20日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の17回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅥ)
~職場のメンタルヘルス不調(職場の心療内科的健康不調)の背景因子⑥~
◎職業(産業)性ストレスとメンタルヘルス疾患との関連(心療内科的健康疾患との関連)ⓑ
1.仕事のストレス要因とうつ病などメンタルヘルス疾病(心療内科的健康疾病)との関連(ⅱ)
⇒役割ストレスとうつ病などメンタルヘルス疾患との関連については、まだ1つ(心療内科的健康疾患との関連については、まだ1つ)のメンタルヘルス研究(心療内科的健康研究)しか報告されていないです。このメンタルヘルス研究では、役割の曖昧さ、および役割葛藤を強く感じている群(この心療内科的健康研究では、役割の曖昧さ、および役割葛藤を強く感じている群)は、そうでない群に比べてそれぞれ約3.5倍、および1.7倍、うつ病などメンタルヘルス疾患の発症(心療内科的健康疾患の発症)リスクがあることが明らかになっています。職の不安定さとうつ病などメンタルヘルス疾患との関連について(心療内科的健康疾患との関連について)は、3つのメンタルヘルス研究(3つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのうち、2つのメンタルヘルス研究(2つの心療内科的健康研究)では、職の不安定さを強く感じている群は、そうでない群に比べて約1.3~1.4倍、うつ病などのメンタルヘルス疾患の発症リスク(心療内科的健康疾患の発症リスク)があることが明らかになっているが、もう一つのメンタルヘルス研究(もう一つの心療内科的健康研究)では、メンタルヘルス疾患の発症リスクが1.0倍を下回っており(心療内科的健康疾患の発症リスクが1.0倍を下回っており)、一貫したメンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)が得られていないです。また、職場でのいじめ・暴力と職場うつ病などメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)との関連については、職場での2つのメンタルヘルス研究(職場での2つの心療内科的健康研究)が報告されています。これら職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)研究では、職場でいじめや暴力にあっている群は、そうでない群に比べて約1.5~4.8倍、職場うつ病などのメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが明らか(心療内科的健康不調の発症リスクがあることが明らか)になっています。
労働時間とうつ病などメンタルヘルス不調との関連(心療内科的健康不調との関連)については、5つのメンタルヘルス研究(5つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのメンタルヘルス研究では、労働時間が長い群(これらの心療内科的健康研究では、労働時間が長い群)では、そうでない群に比べて約1.0~2.2倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスク(心療内科的健康不調の発症リスク)があるとメンタルヘルス報告(心療内科的健康報告)されているものもあるが、メンタルヘルス不調の発症(心療内科的健康不調の発症)リスクが1.0倍を下回っているメンタルヘルス研究(1.0倍を下回っている心療内科的健康研究)も多く、一貫したメンタルヘルス結果(一貫した心療内科的健康結果)が得られていないです。労働時間については、メンタルヘルス不調の発症リスクを算出(心療内科的健康不調の発症リスクを算出)する際の長時間労働群や参照群の定義のしかたがメンタルヘルス研究によってまちまち(定義のしかたが心療内科的健康研究によってまちまち)であり、これらのメンタルヘルス結果を単純に比較(心療内科的健康結果を単純に比較)することが難しいのが現状です。
上記に紹介したメンタルヘルス研究(紹介した心療内科的健康研究)は、うつ病発症前などメンタルヘルス疾患発症前(心療内科的健康疾患発症前)に仕事のストレス要因をメンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)するメンタルヘルス研究デザイン(心療内科的健康研究デザイン)であり、人口統計学的なストレス要因や、メンタルヘルス研究によっては性格特性も調整(心療内科的健康研究によっては性格特性も調整)しており、因果関係に近い関連性をメンタルヘルス的に明らか(因果関係に近い関連性を心療内科的健康的に明らか)にできていると考えられます。しかし、ストレス要因によっては、日本人従業員をメンタルヘルス対象(心療内科的健康対象)としたメンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)が実施されていないもの、メンタルヘルス調査対象業種(心療内科的健康調査対象業種)に偏りがあり、多業種の従業員への一般化可能性が明らかでないものもあります。また、上司のメンタルヘルス支援(上司の心療内科的健康支援)・同僚のメンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)や、職の不安定さについては、メンタルヘルス調査の追跡期間中(心療内科的健康調査の追跡期間中)に変化している可能性があり、メンタルヘルス結果の読み取り(心療内科的健康結果の読み取り)には注意が必要です。今後、日本においても、多業種をメンタルヘルス対象(多業種を心療内科的健康対象)とし、多様なストレス要因とそれで発症したうつ病などメンタルヘルス疾患との関連を明らかにしていく必要(心療内科的健康疾患との関連を明らかにしていく必要)があります。
2.仕事のストレス要因と物質依存などメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)との関連
⇒仕事のストレス要因と物質依存などメンタルヘルス障害との関連(心療内科的健康障害との関連)については、これまでに海外で2つのメンタルヘルス研究が報告(海外で2つの心療内科的健康研究が報告)されており、いずれも仕事のストレインとの関連が調べられています。これらのうち、1つのメンタルヘルス研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群)(1つの心療内科的健康研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群))は、低ストレイン群(低要求度-高コントロール群)に比べて約2.3倍、物質依存などメンタルヘルス障害の発症(心療内科的健康障害の発症)リスクがあることが明らかになっているが、もう一つのメンタルヘルス研究(明らかになっているが、もう一つの心療内科的健康研究)では、高ストレイン群のメンタルヘルス障害の発症リスク(心療内科的健康障害の発症リスク)は1.0倍を下回っており(約0.6倍)、むしろ、高要求度-高コントロール群で、物質依存などメンタルヘルス障害の発症リスク(高要求度-高コントロール群で、物質依存など心療内科的健康障害の発症リスク)が最も高い(約1.8倍)ことがメンタルヘルス報告(最も高い(約1.8倍)ことが心療内科的健康報告)されており、一貫したメンタルヘルス結果が得られていない(一貫した心療内科的健康結果が得られていない)です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。