ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その22)
2020年03月07日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の22回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅪ)
~職場のメンタルヘルス不調の背景因子(職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑪~
◎勤労者のメンタルヘルス評価法(勤労者の心療内科的健康評価法)ⓔ
B.メンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)とそのためのメンタルヘルス情報収集(心療内科的健康情報収集)(ⅱ)
3.メンタルヘルス質問票調査(心療内科的健康質問票調査)
⇒ストレス反応、職業性ストレス因子、緩衝メンタルヘルス要因(心療内科的健康要因)それぞれについて、メンタルヘルス評価のため(心療内科的健康評価のため)のメンタルヘルス質問票が数多く開発(心療内科的健康質問票が数多く開発)されています。
わが国で開発された職業性ストレス簡易調査票は、57項目からなり、メンタルヘルス対策(心療内科的健康対策)を講じる上で特に重要と考えられるストレス反応、職業性ストレス因子、および緩衝メンタルヘルス要因(緩衝心療内科的健康要因)をメンタルヘルス評価できるように構成(心療内科的健康評価できるように構成)されています。
NIOSH職業性ストレス調査票は、22尺度253項目、同NIOSH職業性ストレス調査票日本語版は21尺度、233項目と大きなメンタルヘルス質問票(大きな心療内科的健康質問票)であるが、職業性ストレス要因だけでも、量的労働ストレス、労働ストレスの変動、メンタルヘルス的要求(心療内科的要求)、仕事のコントロール、技能の低活用、人々への責任、グループ内対人ストレス、グループ間対人ストレス、役割ストレス、役割の曖昧さ、仕事の将来の曖昧さ、雇用機会、物理的環境という13の側面をメンタルヘルス評価(13の側面を心療内科的健康評価)できます。メンタルヘルス評価する側面を精選(心療内科的健康評価する側面を精選)した短縮版も提唱されています。
その他、わが国で比較的多く使用されているストレス反応関連のメンタルヘルス質問票(心療内科的健康質問票)を表3に示しました。
◇表3 ストレス反応に関連したメンタルヘルス質問票(職場でよく使用されるもの)(心療内科的健康質問票(職場でよく使用されるもの))
『●POMS→不安・緊張、抑うつ気分(気分が憂うつ・落ち込み)、怒り、敵意、活気疲労、混乱/65項目(5段階回答)/過去1週間(教示により変更可)でのメンタルヘルス測定(過去1週間(教示により変更可)での心療内科的健康測定)
●STAI→状態不安、特性不安/各20項目(4段階回答)/メンタルヘルス調査時点、普段(心療内科的健康調査時点、普段)でのメンタルヘルス測定(心療内科的健康測定)
●CES-D→抑うつ(気分が憂うつ)/20項目(4段階回答)/過去1週間でのメンタルヘルス測定(過去1週間での心療内科的健康測定)
●メンタルヘルス自覚症(心療内科的健康自覚症)調べ→ねむけ感、不安定感、不快感、だるさ感(倦怠感)、ぼやけ感/25項目(5段階回答)/メンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)時点でのメンタルヘルス測定(時点での心療内科的健康測定)
●THI(東大式メンタルヘルス調査票(東大式心療内科的健康調査票))→メンタルヘルスの異常症状(心療内科的健康の異常症状)(12尺度)/130項目(3段階回答)/過去数週間でのメンタルヘルス測定(過去数週間での心療内科的健康測定)
●CFSI(蓄積的疲労徴候インデックス)(注:目的は集団のメンタルヘルス評価(集団の心療内科的健康評価))→不安徴候、抑うつ状態などメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)、イライラのメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)、一般的疲労感、慢性疲労、身体不調、労働意欲低下/81項目(2段階回答)/メンタルヘルス調査時点(心療内科的健康調査時点)(特定せず)でのメンタルヘルス測定(特定せず)での心療内科的健康測定)』
メンタルヘルス質問紙調査(心療内科的健康質問紙調査)は、ほかのメンタルヘルス検査(ほかの心療内科的健康検査)に比べ、手間がかからず安価での実施が可能であることから、広く行われているが、そのメンタルヘルス質問紙調査だけ(その心療内科的健康質問紙調査だけ)でメンタルヘルス問題(心療内科的健康問題)の所在やメンタルヘルス問題の大きさ(心療内科的健康問題の大きさ)が確定できるものではなく、あくまで見立て(メンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)の場合はメンタルヘルススクリーニング(心療内科的健康スクリーニング))としての利用という限界をわきまえて活用すべきです。
なお、使用するメンタルヘルス質問票(使用する心療内科的健康質問票)は、高い信頼性・妥当性が確保されていること、メンタルヘルス学会(心療内科的健康学会)発表などで既にメンタルヘルス報告(心療内科的健康報告)されているほかの事業場のメンタルヘルスデータ(心療内科的健康データ)と比較しやすいことなどから、新規に作成するより、既存のメンタルヘルス質問票(既存の心療内科的健康質問票)を選択することが勧められます。信頼性とは、同じメンタルヘルス状態(同じ心療内科的健康状態)の同一メンタルヘルス対象(心療内科的健康対象)を繰り返しメンタルヘルス測定した際(心療内科的健康測定した際)にメンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)が一致する程度をさします。妥当性とは、メンタルヘルス測定しよう(妥当性とは、心療内科的健康測定しよう)としているメンタルヘルス事象(心療内科的健康事象)を正しくメンタルヘルス測定する程度(心療内科的健康測定する程度)を意味します。
4.管理監督者(上司)を通じて
⇒通常、管理監督者(上司)は、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)よりも、勤労者(部下)と接する機会がはるかに多いです。したがって、勤労者のメンタルヘルス不調(勤労者の心療内科的健康不調)や過重ストレスによる勤労者のメンタルヘルス変化(心療内科的健康変化)にも気づきやすいです。また、職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)不調のメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)の中には、メンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)本人よりも周囲のほうが早期にメンタルヘルス不調に気づきやすい(早期に心療内科的健康不調に気づきやすい)ものがあります。
管理監督者メンタルヘルス教育(心療内科的健康教育)において、この部下のメンタルヘルス変化への気づき(心療内科的健康変化への気づき)の重要性を強調し、そのメンタルヘルス変化のポイント(心療内科的健康変化のポイント)をわかりやすく解説するとよいです。その際には、部下のメンタルヘルス変化(部下の心療内科的健康変化)に気づいた後、どのように声をかけ、話を聴いて、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフにつなぐか(心療内科的健康スタッフにつなぐか)の具体的な方法を説明することも重要です。メンタルヘルス指針(心療内科的健康指針)においても、管理監督者へのメンタルヘルス教育研修(心療内科的健康教育研修)・メンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)提供の内容として、ストレスおよびメンタルヘルスケア(心療内科的健康ケア)に関するメンタルヘルス基礎知識(心療内科的健康基礎知識)、管理監督者の役割および心の健康問題に対する正しい態度(メンタルヘルス不調に対する正しい態度(心療内科的健康不調に対する正しい態度))、勤労者からのメンタルヘルス相談(心療内科的健康相談)対応(話の聴き方、メンタルヘルス情報提供(心療内科的健康情報提供)およびメンタルヘルス助言(心療内科的健康助言)の方法等)、事業場内産業保健スタッフなどの事業場内メンタルヘルススタッフ(事業場内心療内科的健康スタッフ)等との連絡およびこの事業場内メンタルヘルススタッフを通じた(この事業場内心療内科的健康スタッフを通じた)事業場外資源との連携の方法などが挙げられています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。