ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その4)
2020年01月25日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の4回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(Ⅲ)
~職場のメンタルヘルスの概観と法令(職場の心療内科的健康の概観と法令)/メンタルヘルス指針(心療内科的健康指針)③~
◎国によるメンタルヘルスマネジメント(心療内科的健康マネジメント)ⓑ
3.職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)の進め方に関するメンタルヘルス指針(進め方に関する心療内科的健康指針)
⇒2000(平成12)年に、職場のメンタルヘルス対策(職場の心療内科的健康対策)の原則的な実施方法について総合的に示した「事業場における勤労者の心の健康づくり(勤労者のメンタルヘルスづくり(勤労者の心療内科的健康づくり))のためのメンタルヘルス指針」が策定(心療内科的健康指針」が策定)されました。厚生労働省は、事業場におけるメンタルヘルス対策(事業場における心療内科的健康対策)の適切かつ有効な実施をさらに推進するため、2006(平成18)年3月に「勤労者の心の健康の保持増進(勤労者のメンタルヘルスの保持増進(勤労者の心療内科的健康の保持増進))のためのメンタルヘルス指針」を策定し、労働安全衛生法に根拠(心療内科的健康指針」を策定し、労働安全衛生法に根拠)をおき、事業者による勤労者のメンタルヘルス確保努力義務(勤労者の心療内科的健康確保努力義務)に対応するメンタルヘルス指針として公表(心療内科的健康指針として公表)しました。
上記のメンタルヘルス指針(上記の心療内科的健康指針)で、メンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)の一次予防が重視され、職場環境などへのアプローチの必要性が示されました。さらに、中長期的視点に立ってメンタルヘルス対策(心療内科的健康対策)が継続的かつ計画的に行われるよう、事業場において「心の健康づくり計画(メンタルヘルスづくり計画(心療内科的健康づくり計画))」が作成されることが推奨され、メンタルヘルスにかかわる課題(心療内科的健康にかかわる課題)を衛生委員会のメンタルヘルス付議事項(心療内科的健康付議事項)として、事業場全体のメンタルヘルス課題(事業場全体の心療内科的健康課題)とすることを指導しています。心の健康づくり計画に基づいて(メンタルヘルスづくり計画に基づいて(心療内科的健康づくり計画に基づいて))、勤労者、管理監督者、事業場内メンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)、事業場外のメンタルヘルス専門家(心療内科的健康専門家)(精神科医・心療内科医)が、それぞれの役割を担い、事業場全体で組織的なメンタルヘルス活動(組織的な心療内科的健康活動)を行っていくことが期待されています(表3)。
◇表3 勤労者の心の健康の保持増進(メンタルヘルスの保持増進(心療内科的健康の保持増進))のためのメンタルヘルス指針(ための心療内科的健康指針)で、メンタルヘルス対策を具体的に推進する柱(心療内科的健康対策を具体的に推進する柱)として示されている「4つのメンタルヘルスケア(4つの心療内科的健康ケア)」
『●セルフメンタルヘルスケア(セルフ心療内科的健康ケア)
→勤労者が自らストレスの状況に気がつきメンタルヘルス対処(心療内科的健康対処)する
●ラインによるメンタルヘルスケア(ラインによる心療内科的健康ケア)
→管理監督者が勤労者に対する個別のメンタルヘルス相談(心療内科的健康相談)対応と職場環境改善を行う
●事業場内メンタルヘルススタッフ等(心療内科的健康スタッフ等)によるメンタルヘルスケア(心療内科的健康ケア)
→事業場内メンタルヘルススタッフ(事業場内心療内科的健康スタッフ)が、職場環境におけるメンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)とメンタルヘルス改善(心療内科的健康改善)、メンタルヘルス情報提供(心療内科的健康情報提供)・メンタルヘルス教育研修(心療内科的健康教育研修)や気づきの機会の提供等のセルフメンタルヘルスケア(気づきの機会の提供等のセルフ心療内科的健康ケア)やラインによるメンタルヘルスケアの支援(ラインによる心療内科的健康ケアの支援)、および、勤労者への個別のメンタルヘルス相談対応(心療内科的健康相談対応)とともに、外部のメンタルヘルス科専門機関(心療内科専門機関)(メンタルヘルス科専門病院(心療内科専門病院)・メンタルクリニック(心療内科クリニック))等とのネットワークを構築してメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)の紹介などを行う
●事業場外資源によるメンタルヘルスケア(事業場外資源による心療内科的健康ケア)
→事業場外のメンタルヘルス専門家(事業場外の心療内科的健康専門家)(精神科医師・心療内科医師)がメンタルヘルス医療サービス(心療内科的健康医療サービス)の提供やメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)を提供する』
4.過重労働対策
⇒1980年代後半から過労死、自殺の増加が社会問題化し、1996(平成8)年過労死の労災認定基準の改正が行われました。2002(平成14)年2月には、厚生労働省は、事業場による自主的な過重労働軽減とメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)を予防するため、「過重労働によるメンタルヘルス障害の防止(心療内科的健康障害の防止)のための総合メンタルヘルス対策(総合心療内科的健康対策)」(通達)を出し、事業者に過重労働によるメンタルヘルス障害の予防対策(心療内科的健康障害の予防対策)を要請しました。メンタルヘルス診断(心療内科的健康診断)の確実な実施・産業医や保健師などメンタルヘルス職(心療内科的健康職)によるメンタルヘルス面接指導(心療内科的健康面接指導)が努力義務とされ、この際、メンタルヘルスにも指導を行うよう言及(心療内科的健康にも指導を行うよう言及)しています。また、過重労働によるメンタルヘルス疾病(心療内科的健康疾患)が発生した場合の原因究明およびメンタルヘルス疾病の再発防止(心療内科的健康疾患の再発防止)についても定められました。厚生労働省は過重労働・メンタルヘルス対策をさらに強化(心療内科的健康対策をさらに強化)するために、2006(平成18)年3月に労働安全衛生法を改正し、常時50人以上の勤労者を使用する事業場では同年4月から、50人未満の事業場では2008(平成20)年4月から、事業者は週40時間の労働時間を基準として、そこからの超過分が1か月あたり100時間以上の時間外労働を行った勤労者に対して、本人が希望した場合、メンタルヘルス専門医(心療内科的健康専門医)(心療内科医・精神科医)によるメンタルヘルス科面接指導を行うことを義務化(心療内科的健康科面接指導を行うことを義務化)しました。
民間団体のメンタルヘルス活動を契機(心療内科的健康活動を契機)に社会的な機運が高まり、2014(平成26)年に「過労死等防止対策推進法」が議員立法によって成立・施行されました。2015(平成27)年には、過労死等防止対策推進協議会の意見を入れ、過労死等の防止のためのメンタルヘルス対策に関する大綱(心療内科的健康対策に関する大綱)が閣議決定され、メンタルヘルス調査研究(心療内科的健康調査研究)等、メンタルヘルス啓発(心療内科的健康啓発)、メンタルヘルス相談体制の整備(心療内科的健康相談体制の整備)等、民間団体のメンタルヘルス活動(民間団体の心療内科的健康活動)に対するメンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)を柱とした過労死等防止のためのメンタルヘルス活動(心療内科的健康活動)が行われています。2016(平成28)年には、過労死等防止対策推進法後初めて、法の成立過程や大綱の内容を含む法定白書が国会に報告されました。
5.自殺対策
⇒2005(平成17)年に「自殺予防に向けての政府の総合的なメンタルヘルス対策(政府の総合的な心療内科的健康対策)について」を取りまとめ、メンタルヘルス対策への重点取り組みが表明(心療内科的健康対策への重点取り組みが表明)されました。また、2006(平成18)年6月には自殺対策基本法が公布、2007(平成19)年6月には自殺総合対策大綱が公表され、国や地方自治体、企業、メンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)(メンタルヘルス科病院(心療内科病院)・メンタルクリニック等(心療内科クリニック等))、メンタルヘルス教育機関(心療内科的健康教育機関)、NPOなどが行うべき役割が明記され、メンタルヘルス体制整備のための取り組み(心療内科的健康体制整備のための取り組み)が行われました。
自殺対策基本法は2016(平成28)年4月に改正され、2017(平成29)年7月に新たな自殺総合対策大綱が閣議決定されました。新たな大綱では、メンタルヘルス関連施策(心療内科的健康関連施策)の有機的な連携を図り総合的なメンタルヘルス対策の推進(心療内科的健康対策の推進)、地域レベルの実践的なメンタルヘルス対策(実践的な心療内科的健康対策)への取り組みのさらなる推進、若者の自殺対策の推進、過重労働をはじめとした勤務問題による自殺対策の推進、メンタルヘルス施策の推進体制(心療内科的健康施策の推進体制)としてのメンタルヘルス対策におけるPDCA(plan-do-check-act)サイクル(心療内科的健康対策におけるPDCA(plan-do-check-act)サイクル)の推進、わが国の自殺死亡率が主要先進7か国で最も高い現状を踏まえた数値目標の見直しが行われました。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。