ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その45)
2019年03月31日
千里中央(大阪府 豊中市・北摂 千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の45回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)で患者様はなにをするか〗(ⅩⅥ)
◎リワークプログラムの流れ(復職支援プログラムの流れ)⑥
~リワークプログラムに毎日通えて(復職支援プログラムに毎日通えて)いて、リワークプログラムでの自己理解(復職支援プログラムでの自己理解)も深まったメンタルヘルス状態でリワークプログラムを卒業(復職支援プログラムを卒業)へ~
⇒生活リズムが安定し、リワークプログラム評価表(復職支援プログラム評価表)でも安定した得点がとれるようになってメンタルヘルス状態が回復、つまり復職準備性(リワーク準備性)が整い復職が現実味(リワークが現実味)を帯びてきたら、復職間近(リワーク間近)です。暫定的な復職日(リワーク日)を設定して、復職支援を進めて(リワークを進めて)いきましょう。まず本人が自分のメンタルヘルス状態の回復度、すなわち本人が自分の復職準備性(本人が自分のリワーク準備性)をみて「何月くらいに復職したい(リワークしたい)」とメンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)や復職支援施設スタッフに相談(リワーク施設スタッフに相談)します。ひとまずは復職希望(リワーク希望)でよいです。
メンタルヘルス状態が回復している(復職準備性が整っている(リワーク準備性が整っている))場合、仮の復職日(仮のリワーク日)を決め、暫定的な復職日(暫定的なリワーク日)に向けて復職支援準備(リワーク準備)を進めていきます。復職支援準備が順調(リワーク準備が順調)に進めば復職日を前倒し(リワーク日を前倒し)に、復職支援準備が遅れる(リワーク準備が遅れる)場合は、復職日を延期(リワーク日を延期)するなどして復職日を調整(リワーク日を調整)します。ただし、復職日を確定(リワーク日を確定)するには、主に次のA~Cの3つの条件をリワークプログラムでクリア(復職支援プログラムでクリア)しなければなりません。
『A.一定期間、リワークプログラムで皆勤(復職支援プログラムで皆勤)
➡週4~5日のリワークプログラム(週4~5日の復職支援プログラム)など復職支援デイケア(リワークデイケア)に8週間程度、無遅刻・無欠席・無早退で通所する。リワークプログラムなど復職支援デイケアの期間(復職支援プログラムなど復職支援デイケアの期間)は復職支援施設(リワーク施設)によって異なる
B.リワークプログラムなど復職支援デイケアでの内省(復職支援プログラムなど復職支援デイケアでの内省)が深まっている
➡休職に至ったプロセスをリワークプログラムで振り返り(復職支援プログラムで振り返り)、自分に内在するメンタルヘルス上の問題点とリワークプログラムで向き合う(復職支援プログラムで向き合う)ことができている
C.リワークプログラムで一定の評価(復職支援プログラムで一定の評価)
➡復職支援施設など医療機関(リワーク施設など医療機関)によって違うが、多くはリワークプログラム評価表の点数(復職支援プログラム評価表の点数)などがリワークプログラムを終了する判断(復職支援プログラムを終了する判断)の参考にされる』
上記A~Cの3つの条件をリワークプログラムにてクリア(3つの条件を復職支援プログラムにてクリア)すると復職支援デイケアを卒業(リワークデイケアを卒業)となって、リワークプログラムを終了(復職支援プログラムを終了)し、復職へと動き出し(リワークへと動き出し)ます。
他方、メンタルヘルス状態の回復が十分でない(復職準備性が十分整っていない(リワーク準備性が十分整っていない))場合、リワークプログラムを続ける(復職支援プログラムを続ける)ことにより、メンタルヘルス状態の回復レベルを上げて復職準備性を整え(回復レベルを上げてリワーク準備性を整え)ます。具体的には、復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)が本人のメンタルヘルス状態や復職支援状態(リワーク状態)をみて、生活リズムが安定していない場合などは、復職をあせらず(リワークをあせらず)、リワークプログラム評価表を活用(復職支援プログラム評価表を活用)して、メンタルヘルス上の問題点や復職支援の問題点(リワークの問題点)をリワークプログラムで確認(復職支援プログラムで確認)。しばらくリワークプログラムなどリハビリ(復職支援プログラムなどリハビリ)を続けることで「仕事を引き受けすぎる」など、自分のメンタルヘルス上の問題点や復職支援の問題点を把握(リワークの問題点を把握)。メンタルヘルス対策や復職支援対策(リワーク対策)をリワークプログラムで講じる(復職支援プログラムで講じる)ことにより、メンタルヘルス不調が改善してから復職へ向かい(リワークへ向かい)ます。
この復職間近のとき(リワーク間近のとき)、すなわちリワークプログラム卒業間近(復職支援プログラム卒業間近)のとき重要になるのが、メンタルヘルス疾患の再発を予防するために欠かせない「リワークプログラムでの深い自己理解(復職支援プログラムでの深い自己理解)」です。
■休職理由を自覚できてからリワークプログラムを卒業(復職支援プログラムを卒業)する
⇒復職をめざす(リワークをめざす)ということは、うつ病などメンタルヘルス疾患を発症した環境に復職(発症した環境にリワーク)することを意味します。休養でメンタルヘルス不調が改善して元気になったとしても、メンタルヘルス疾患の発症前のままの考え方では、ストレスが重なったときに疲労感がたまり、再び同じようなメンタルヘルス状況や復職支援状況に陥る(リワーク状況に陥る)可能性があります。
したがって、復職する条件(リワークする条件)には、リワークプログラムでの内省(復職支援プログラムでの内省)が深まり、さまざまなセルフメンタルヘルスケアの方法をリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)で身につけて、メンタルヘルス疾患の再発を防ぐことができるようになるのが、復職する条件としてなにより重要(リワークする条件としてなにより重要)なのです。リワークプログラムで深い内省ができているか(復職支援プログラムで深い内省ができているか)は、メンタルヘルス疾患の再発予防のポイントであり、復職できるかどうか(リワークできるかどうか)の重要な目安です。リワークプログラムなどデイケアで自分を深くみつめること(復職支援プログラムなどデイケアで自分を深くみつめること)が、復職支援成功(リワーク成功)とメンタルヘルス疾患の再発予防のカギを握ります。
復職支援成功のカギ(リワーク成功のカギ)は、リワークプログラムで自分自身と向き合い、もろさを知ること(復職支援プログラムで自分自身と向き合い、もろさを知ること)です。休職に至った自分のなかにあるメンタルヘルス要因をリワークプログラムでみつめ(復職支援プログラムでみつめ)、どのようなメンタルヘルス状況や復職支援状況(リワーク状況)になったとき、対応に困っていたか、自覚できていることが重要です。職場に復職(職場にリワーク)する復職支援準備がしっかりできる(リワーク準備がしっかりできる)と、復職後(リワーク後)、苦手な場面に直面しても、リワークプログラム開始前(復職支援プログラム開始前)までと同じようにはふるまわないです。リワークプログラム終了後(復職支援プログラム終了後)は適切に対応することができます。
■とりつくろって復職(とりつくろってリワーク)するのは、メンタルヘルス疾患の再発リスクが高い
⇒リワークプログラムは実際の職場に近い状況(復職支援プログラムは実際の職場に近い状況)をつくっていますが、リワークプログラムでうまくいった(復職支援プログラムでうまくいった)としても、実際の職場では復職がうまくいかない(実際の職場ではリワークがうまくいかない)ことも出てきます。
リワークプログラムでの内省が深まっていない(復職支援プログラムでの内省が深まっていない)のに、みせかけだけとりつくろって、復職の時期(リワークの時期)を早めても、結局、メンタルヘルス疾患の再発のリスクが高まるだけです。
復職支援がうまくいかない原因(リワークがうまくいかない原因)は、早く復職(早くリワーク)するため元気を装ったり、復職すること自体(リワークすること自体)や、復職自体へのこだわり(リワーク自体へのこだわり)のためにリワークプログラム評価表の点数を上げること(復職支援プログラム評価表の点数を上げること)だけに終始し、自分のメンタルヘルス面と向き合ってこなかったことです。表面的にはメンタルヘルス状態はよくなったが、職場で再びストレスにさらされると、復職後に同じ失敗をくり返して(リワーク後に同じ失敗をくり返して)しまい、復職後も長続きしない(リワーク後も長続きしない)です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。