睡眠薬の分類とその特徴について(睡眠薬の種類) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

睡眠薬の分類とその特徴について

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睡眠薬の分類とその特徴について

睡眠薬の種類

睡眠薬には、その作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けられます。ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロンの3剤のみが非BZ系睡眠薬、他はBZ系睡眠薬で、上記3剤とトリアゾラムが睡眠導入薬(超短時間型)です。左側は一般名で、()内は商品名です。処方時には()内の商品名が使用されることが多いです。

超短時間型(半減期が2~4時間程度)
ゾルピデム(マイスリー)
トリアゾラム(ハルシオン)
ゾピクロン(アモバン)
エスゾピクロン(ルネスタ)
短時間型(半減期が6~12時間程度)
ブロチゾラム(レンドルミン)
ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)
リルマザホン(リスミー)
中時間型(半減期が12~24時間程度)
フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)
二トラゼパム(ベンザリン、ネルボン)
エスタゾラム(ユーロジン)
二メタゼパム(エリミン)
長時間型(半減期が24時間以上)
クアゼパム(ドラール)
フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)
ハロキサゾラム(ソメリン)

薬理作用

BZ系、および、非BZ系の薬剤は中枢神経系のGABA-Aレセプターに作用します。γ-アミノ酪酸(GABA) は中枢神経系における抑制性神経伝達物質であり、GABAレセプターとしてはA、B、Cの3種類が知られています。GABA-Aレセプターにはバルビツール酸結合部位も存在しており、バルビツレート酸塩系薬剤の睡眠、鎮静、抗痙攣、健忘作用もGABA-Aレセプターを介しています。なお、GABA-Aレセプターは脳内だけでなく脊髄にも広範に存在するため、筋弛緩、運動障害を来しえます。BZ系の薬剤のうちクアゼパムと非BZ系の薬剤は大脳皮質を中心として存在するα1サブユニットへの親和性が特に高く、他のαサブユニットへの親和性が低いため、抗不安作用、筋弛緩作用が弱いという特徴があります。

睡眠薬の正しい使い方

症状や基礎疾患などから医師が判断し異なることもありますが、一般的には、以下のように用いられます。

超短時間型、短時間型

  • 慢性的ではなく、一過性に不眠を感じる
  • なかなか寝付けない、寝付きが悪い

効果が短いので、寝始めの時に効果があり、3~4時間ぐらいで効果が和らぐので、目覚めが良いという特徴もあるようです。

中間型、長時間型

  • 寝ても途中で目が覚めてしまう、一度目が覚めると目がさえてしまいなかなか寝付けない
  • 早朝に目が覚めてしまい、寝たいのになかなか寝付けない
  • ぐっすり眠れない、寝た気がしない

効果が長めなので、短時間型を使って朝方に目が覚めてしまう人などは、こちらに変更する場合もあります。睡眠時聞が短いと、起きるのが辛い、起きてもボーっとしてしまう人もいるようです。

睡眠薬服用時の注意事項・副作用

飲んで少し経っても眠くないからといって、もう1錠飲んだり、お酒を飲んだりすることは絶対に避けてください。徐々に眠くなるのではなく30分ぐらいで突然眠くなることもあります。さらに、薬が効いてからは記憶があいまいになることもありますので、服用したらすぐに寝てください。

睡眠薬を長期間服用して、自己判断で突然中止することは避けてください。逆に不眠が悪化したり、不安の症状などが現れる事があります。医師の指示に従い、徐々に薬を減らしていきましょう。
※クアゼパム(ドラール)は、血中濃度が上がり過ぎる事がありますので、食後の服用は避けて空腹時に飲んでください。

その他、副作用として、のどが渇いたり、ふらつき、めまい、だるさ、血圧への影響などがあります。おかしいなと感じたり、副作用が酷く現れた場合には、直ぐに医師に相談してください。

睡眠薬は、症状に合わせて医師の指示に従い適切に服用することが肝心です。不明な事、不安な事がありましたら医師や薬剤師に相談してみてください。

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