待ち時間の少ない院内処方 | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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院内処方のメリット・デメリットについて

現在、病院に行ったときに、病院内で薬を渡される、いわゆる「院内処方」という形式を取っているところは減少しています。2012年時点では、病院の外の調剤薬局で薬を処方される「院外処方」の割合が、60%代後半に近づいてきているという調査結果もあります。昔から存在する院内処方ですが、メリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

院内処方のメリットで最も大きなものは、何といっても「薬代が安い」ということです。どうして薬代が安くなるのかというと、これは国が推し進めてきた「医薬分業」政策に起因するところが大きいのです。

診察をして薬の処方せんを作成する病院と、処方せんを基に薬を調剤する薬局を明確に分離しようとする医薬分業の考え方は、欧米では以前から一般的でしたが、日本では90年代初頭から国が政策として積極的に行ってきました。

医薬分業推進理由の一つに、「患者の薬漬けを防ぐ」というものがありました。病院内だけで薬の処方まで行うと、患者様に対して過剰な量の薬が投与される恐れがある、というものでした。医薬分業により、薬剤師が処方せんをチェックして、処方内容に疑義があった場合、薬剤師から医師に対して疑義を確認し、過剰な薬の投与を回避できるという訳です。

ですが、国が医薬分業による院外処方の推進のために、院外の調剤薬局の利益が高くなるように処方せん料、調剤基本料、調剤料等の点数計算体系を設定したために、結果的に院外処方の薬代は、院内処方時に比べて高額になってしまった訳です。

その他、薬を受け取る為に、いちいち病院の外に出て調剤薬局に行くという「二度手間」が省けるというのも院内処方のメリットと言えるでしょう。又、院内処方の場合、処方する薬の在庫がないということが殆どないため、そのような場合に薬の取り寄せに時間が掛かる、というような事態が発生しないというメリットも考えられます。

次に院内処方のデメリットですが、これは前述した、医薬分業の推進理由にあった、「患者に対して過剰な薬が投与される恐れがある」という点がそのまま当てはまります。

その他、医師のみで処方せん作成から調剤まで行うため、チェック機能が働きにくいという点や、薬剤師から薬に関する詳細な説明が受けられないという点もデメリットと言えるでしょう。

国の方針とは異なる為、減少傾向にある院内処方ですが、そのメリットを院外処方側も無視せず取り入れる工夫をし、よりよいシステムを構築する必要があると言えるでしょう。

処方に関する当クリニックの考え

開院にあたり非常に悩んだ末、当クリニックは原則院内処方(一部例外を除く)を採用することにいたしました。前述のように現在では院内処方料が院外処方せん料と比べ各段に安いため、院内処方では薬を多く処方するほど収入が減るようになりました。そのため薬の処方量と関係なく同じ収入が得られる院外処方の方が採算性がよいケースが多く、普及しました。医療機関にとっては院外処方せんと比べると、院内処方では収入が少なくなり経費(調剤のための設備や部屋・人員の確保など)もかかり、煩雑なことも多いのは事実です。しかし、「患者様に喜んでもらえる病院は、患者様に選んでもらえる病院になるはずだ」という信念のもと、院内薬局を設置いたしました。

今後も厚生労働省の医療費抑制策により院内処方の収入がさらに減少すれば、いずれ当クリニックでも医薬分業に切り替えなくてはならなくなるかも知れません。患者様への目に見えないサービスとの観点から、できる限り院内処方を継続したいと考えていますので、ご協力をお願いします。

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