2018年07月31日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の80回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎休職開始時に評価しておく必要がある点
⇒表1に、休職開始時に評価しておくとその後のメンタルヘルス不調の治療に役立つ点についてまとめました。初診時にある程度の職務などに関しては確認しているとは思われるが、その患者様の職場での立場についても確認しておくとその後の対応も検討しやすいです。可能であれば職場の上司などからも情報をきいておくと便利です。実臨床のなかでは、患者様本人が考えていることと職場からみた本人の状態とでは、評価に乖離があることは少なくないです。少なくともある程度のすり合わせをしたうえで、その後のメンタルヘルス不調の治療に関しても考えていくことが望ましいと思われます。さらに、金銭面についてもきちんと確認しておく必要があります。わが国には傷病手当金の制度などがあるが、実際には今までの生活よりはマイナスの状態で家計のやりくりが必要になります。メンタルヘルス専門医(精神科医・心療内科医)の興味としてはうつ病・うつ状態などメンタルヘルス不調の治療に視点が向きがちだが、実際には患者様は金銭的な問題での不安を抱えやすいです。休職時にそのようなポイントを最初から押さえたうえでメンタルヘルス不調の治療を開始することで焦りが生じやすい時期を把握し、その時期までの復職をめざした準備(リワークをめざした準備)ができるようになります。
◇表1 休職開始時に評価しておくポイント
『・会社の業種、本人の職種、本人の職階、現業務の経験年数と習熟度
・本人の業務のあらまし(特に車の運転、機械操作、高所での作業、交代勤務など)
・金銭面のこと(給与が支払われる期間、傷病手当金等、給与以外の支払いが行われる期間)
・休職期間満了退職となる期日
・復職時(リワーク時)にこれまでの職場で受け入れは可能か?
・通勤に要する時間』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。