2018年07月07日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の70回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場復帰後(リワーク後)の経過(Ⅱ)〗
■回復期:復職後4~6ヵ月目(リワーク後4~6ヵ月目)
復職して3ヵ月間(リワークして3ヵ月間)が過ぎ、復職後4ヵ月目以降から半年(リワーク後4ヵ月目以降から半年)では、「メンタルヘルス不調再燃の危機の段階」が訪れます。この復職後数ヵ月間が過ぎた頃(リワーク後数ヵ月間が過ぎた頃)になると、職場は勤労者がメンタルヘルス不調明けであるため寛容であった雰囲気から変わり、そろそろ通常の業務を期待されはじめます。勤労者には遅れを取り戻そうという焦りが生まれ、その一方で上司は「もう大丈夫ではないか」と楽観するようになってきます。ここで勤労者のほうがセルフメンタルヘルスケア、つまり実はまだメンタルヘルスの調子があまりよくないことやパフォーマンスに限界があることを上司や産業保健スタッフへきちんと伝えておくことができなければ、たちまち仕事量、責任、周囲の期待が増して、特別扱いされなくなってしまいます。本人の就労意欲も一瞬高まるが、実際にはうまく仕事をこなせず、周囲の期待に応えられず無力感を抱いたり、憂うつな気分が続いたり、さらにメンタルヘルス不調が悪化すれば頭が働かなくなって、欠勤が生じてくることもよくあります。それはあたかも、子どもの運動会に参加して若い頃のイメージのまま徒競走に出て転倒してしまうお父さんのような状態です。
そこで、このような事態を避けるために土曜フォローアップのリワークプログラム(復職支援プログラム)では、この復職後数ヵ月間が過ぎた時期(このリワーク後数ヵ月間が過ぎた時期)は初心に帰り本人の課題の再確認とメンタルヘルス的な援助を重視しています。つまり、平日にリワークプログラムに通っていた頃(復職支援プログラムに通っていた頃)、「うつ病エピソードなどメンタルヘルス不調の振り返り作業」「自分の仕様書」や「メンタルヘルス教育」などで気づいたり身につけたりした自らの性格特性や思考・行動パターン、うつ病などメンタルヘルス不調になった経緯などを再確認させ、たとえばコミュニケーションに問題のあった人の場合であれば、現在の自分の気持ちを本当に伝えられているのか、伝えている気持ちになっているだけで相手はそう受け止めてはいないのではないかなどを気づくように働きかけます。また、この復職後半年近くが過ぎた時期(このリワーク後半年近くが過ぎた時期)は孤独感を抱きやすいので、ほかのフォローアップのリワークプログラム(フォローアップの復職支援プログラム)参加者からの共感的理解によるメンタルヘルス的なリワーク支援(職場復帰支援)が大きな役割を果たすことが多いです。
⇒『(メンタルヘルス不調の再発・再燃のリスク)
・職場は労働者がメンタルヘルス不調明けであるため寛容であった雰囲気から変わり、そろそろ通常の業務を期待し始める
・労働者には遅れを取り戻そうという焦りが生まれる
・ここで労働者のほうがセルフメンタルヘルスケア、つまり実はまだメンタルヘルスの調子があまりよくないことやパフォーマンスに限界があることを上司や産業保健スタッフへきちんと伝えておくことができなければ、たちまち仕事量、責任、周囲の期待が増して、特別扱いされなくなってしまう』
⇒『(アドバイスのポイント)
・この復職後数ヵ月間が過ぎた(リワーク後数ヵ月間が過ぎた)時期は初心に帰り本人の課題の再確認とメンタルヘルス的な援助を重視
・現在の自分の気持ちを本当に伝えられているのか、伝えている気持ちになっているだけで相手はそう受け止めてはいないのではないか、などを気づくように働きかける
・この復職後半年近くが過ぎた(リワーク後半年近くが過ぎた)時期は孤独感を抱きやすいので、ほかの復職者(リワーク者)からの共感的理解によるメンタルヘルス的なリワーク支援が大きな役割(職場復帰支援が大きな役割)を果たす』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。