女性のメンタルヘルスについて(その3) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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女性のメンタルヘルスについて

Ⅲ.婦人科における心身医学

女性では精神的ストレス(親しい人の不幸、離別、職場の異動などによる環境や対人関係の変化など)により、月経が不順になったり停止することがあります。一方、ホルモンの変化が精神面に大きな影響を及ぼすこともあります。

(1)月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)

月経の発来する3~10目前ぐらいから始まる精神的・身体的症状が、月経開始とともに消失ないし減退していく症候群です。

●症状

精神症状として、不安、過敏、イライラ、怒りっぽい、軽度のうつ、睡眠障害などがあります。身体症状として、体重増加、乳房痛あるいは緊満感、浮腫、便秘などがあります。症状は繰り返し、個人により一定の傾向はありますが、その程度はときにより異なります。

●診断

月経周期のどの時期からどのような症状が始まり、いつ終わるか、それが日常生活に支障を来すかどうかを問診します。

●治療
①薬物療法
ホルモン薬(経口避妊薬、ジドロゲステロン)
向精神薬(アルプラゾラム、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など)
漢方薬(当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝ふくれい丸)
その他(ビタミンB6製剤)
②その他
心理療法、運動療法、有酸素運動

(2)月経前不快気分障害(PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder)

月経前不快気分障害(PMDD)は月経前症候群(PMS)と比較して、より精神症状又は身体症状が重いものをいいます。「月経前不機嫌性障害」ともいいます。米国精神医学会の診断基準(DSM-Ⅳ)では特定不能のうつ病性障害(code no.311)として挙げられており、特に精神症状が顕著にみられます。月経周期の黄体期と関連して診断されます。正常な月経周期を持つ女性の3~8%に症状があります。米国精神医学会の診断基準(DSM-5)ではうつ病性障害として挙げられています。

●症状
精神症状
・強い抑うつ(悲壮感)、絶望感、可能性として自殺念慮
・緊張感、不安感
・対人的な拒否感、批判主義の増大
・パニック、衝動的な攻撃性
・焦燥感、動揺、涙もろくなる
・イライラ、怒り、対人的衝突(たいてい患者様ご自身はその衝突に対しては無意識です)
・日常生活や人間関係において感情鈍麻、興味の喪失
・集中力低下
・疲労感
・食欲増進または減退
・過眠または不眠(少数グループ)
・圧倒感、無制御感
・感情的な接近(親密さ)の欲求
・性的欲求の減退または亢進
身体症状
・腹部膨満感、動悸、頭痛、腰痛、乳房の張り・痛み、関節痛、筋肉痛、顔や鼻のむくみ

(3)更年期障害

更年期とは生殖期から老年期への移行期で、加齢に伴い性腺機能が衰退し、月経が不順となり、完全に閉止(閉経)する前後数年間(45~55歳に相当)をいいます。更年期障害とはこの時期に現れる多種多様の症候群で、器質的変化に相当しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴症候群をいいます。

●症状
①自律神経障害症状
のぼせ、ほてり、発作性発汗、冷感、動悸、頭痛、知覚異常、耳鳴、めまいなど
②精神障害症状
抑うつ、イライラ、物忘れ、集中力の欠如、気力減退など
③感覚異和症状
口内乾燥感、皮膚異常感(掻痒感、蟻走感)
④運動器症状
肩こり、腰痛、関節痛など
⑤泌尿器、性器症状
頻尿、性交障害、外陰掻痒、帯下感など
⑥消化器症状
食欲不振、便秘、悪心、嘔吐など
●検査
①ホルモン検査
血中エストラジオール、卵胞刺激ホルモン
②更年期指数
Kappermanの更年期指数、簡略更年期指数
③心理テスト
Cornell Medical Index(CMI)、Manifest Anxiety Scale(MAS)、
Self-rating Depression Scale(SDS)、
Self-rating Questionnaire for Depression(SRQ-D)など
④自律神経機能検査
皮膚紋画法、寒冷血圧試験、指尖容積脈波、サーモグラフィなど
●診断

いつから(閉経との関係)、どのような症状がどの程度かを問診することで(更年期指数の質問紙を用いると便利です)ほとんど診断がつきますが、うつ病との鑑別は重要です。

●治療

ホルモン療法単独、あるいは心身症、自律神経失調症の治療を併用したものになりますが、問診や検査結果を参考に治療を進めます。

① 薬物療法
エストロゲン製剤(結合型エストロゲン、エストリオール、エストラジオール貼付剤など、酢酸メドロキシプロゲステロンを併用する)、男女混合ホルモン剤(経口薬、デポー注射剤)、自律神経調節薬(トフィソパム、ガンマオリザノール)、向精神薬(アルプラゾラム、スルピリド、SSRIなど)、漢方薬(当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝ふくれい丸、女神散、温経湯など)
② その他
心理療法、自律訓練法、生活指導。

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