摂食障害(その3) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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摂食障害について(その3)

治療法

治療は精神病理の変容と行動の変化が求められます。生きることの意味や自己の価値を求めつつ、確かなものがみつからず、結果「やせ続けること」を求めてしまう心性を理解しつつ、 同時にそれだけで真の解決は得られないことを明確化し、自己のアイデンティティーを確立します。

a)「なぜ食べないのか」追求しない

食思不振を呈する身体疾患を除外した後は「精神的な不調で食べられなくなることはあるが、それは証明できないことなので、あまり本人に詮索するのは得策でない」と伝え、念のため精神科、心療内科への受診を勧めます。

b) 原因の究明よりも「結果」(ANの場合、低栄養、低体重、低代謝となっていること)への厳然とした対応を求めます

精神科、心療内科に紹介しなくても、「標準体重の 85%」、「高度の洞性徐脈」など限界の指標を患者様、ご家族に提示しておき、定期的に経過をみるだけでも、徐々に改善する症例は多いです。ただ、高度のるいそうや徐脈は心停止(通常前駆症状などはなく突然停止する)の危険があり、入院が必要の旨を早い段階で伝えておきます。

c)「葛藤の保持」そのものに価値があります

「こうすれば治る」とマニュアル的に対応できないとき、叱責や激励でなく、ただ医療者が患者様やご家族の苦悩、葛藤をともに抱えるだけでも治療的には意味があります。葛藤を転換しようとせずそのまま受け止めることも治療です。

経過と予後

ANの場合、痩身を保っている開は、患者様ご自身が治療への動機づけを持つことが難しく、無 月経を自覚したり、るいそうを局圏の人から指摘されたりして受診にいたることが多いです。 世界的な統計ではANの全症例のうち約 5%は死亡するとされています。この場合最も多い死因は「心停止」です。

なにをもって摂食障害が治ったとするかは難しいですが、経口栄養摂取ができ、標準体重の85%以上を保持し、自覚症状や検査所見で異常がみられない、というような点でみると、寛解する割合は  40~60%程度とする研究が多いです。

BN の場合は、過食行動の症状の軽快ということでいえば、統計的には60%前後の寛解率とする報告が多いです。症状の根底にある精神病理の改善、治癒となるとさらに定義が難しいですが、学歴、職業的立場、恋愛・結婚観や、現実の婚姻状況などの社会適応から、このような面に焦点をあてた研究もないわけではありません。一般に発症や治療開始年齢が若いほど、寛解後の社会適応は良好とされています。

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