過労死(その2) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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過労死とブラック企業について

2. 増え続ける過労死

不況や、業績悪化のしわよせが働く環境をさらに圧迫しています。サービス残業や無理なノルマなどをかけられ、ストレスと疲労が、体だけではなく心までも蝕んでいきます。

長距離トラックの運転手、建設業は労働時聞が長く、勤務体制が不規則であったり出張や深夜勤務の多い仕事です。騒音や温度などの厳しい環境で緊張感の続く仕事は、多くのストレスがかかります。メディアではよく医師や看護師の過労問題が取り上げられています。長時間勤務の問、命を預かるという精神的緊張感が続きます。医師不足が進み、さらに一人の医師や看護師の負担が増えるといった悪循環に陥っています。

高度経済成長の時代に企業戦士と呼ばれたサラリーマンは、長時間労働で会社の為に尽くし結果、『過労死』という言葉ができました。30年たった今、不況の中で更に過労死が深刻化しています。中国でも、急激な経済成長の中、過労死が深刻な問題になっています。肉体的疲労だけで起こる過労は少なく、肉体的疲労にストレスやプレッシャーが加わる事でおこる自律神経の乱れや、血圧の変化が体に負担をかけ、より一層ストレスを与えます。

体の疲れは蓄積され続け過労になってしまいます。ブラック企業により若年層の過労死も増えています。過度の長時間労働、無理な成果の要求、サービス残業など上司に逆らえない若年層は不景気の中、解雇を恐れ無理を続けてしまいます。また、仕事、家事、育児を同時に行わなければならない若い女性の間でも、過労死が増えている報告もあります。

不当な労働時間やサービス残業は問題ですが、職場環境でストレスを減らす方法を見つけない限り、過労死の問題はなくならないのではないでしょうか。

3.ブラック企業と過労死の関係

本来ならば休みのはずなのに強制的に出勤させられる、時間外の労働にもかかわらず、その報酬がないサービス残業。雇用の時の契約条件と実際の業務形態がまったく違う職場で働いていませんか?その企業はブラック企業です。

社会保険負担を減らすために、非正規社員として雇っておきながら、社員と同じ業務をさせていたり、無理な成果主義を一方的に押し付けられたりと、ブラック企業で働く人間はストレスや疲労が蓄積される環境で働いているため、過労死の危険にさらされています。

コンプレックスや欠点をなじる、怒鳴りちらす、家族を非難するなどの仕事とは関係の無い事を言ってくるモラルハラスメント。リストラをさけ自主退社させようと圧力をかけてくるパワーハラスメント。ブラック企業ではさまざまなハラスメントの危険があります。上司のタイプでもパワハラに違いがあります。仕事に対し上昇志向がないタイプの上司は、責任を取りたくないという理由で部下が出す新しい提案を受け入れない、無視をする。責任ごと部下に仕事を丸投げするなど、上司としての役割をはたそうとしません。仕事に対し積極的なタイプの上司の場合、完壁主義で自己中心的な上司は、高圧的で自分のルールや考え方を押し付けます。意見を否定され、思うように動けずにいる部下に対し、自分の思う結果を求め怒鳴り散らします。

こんな状況でストレスがたまらないハズがありません。ブラック企業の犠牲で過労死以外にも、うつ病になったり、自殺をする人も増えています。
就職難の時代にやっと入れた会社だからと無理をしていませんか?体をこわして、仕事が出来なくなったら…退社したとしても、体の回復を待つ問、働くことも出来ません。無理を続けていると、過労死になる可能性があるという認識を持って下さい。やりがいや、楽しさを感じられる事をしている時は疲れを感じない、感じにくいと思ったことはありませんか?ストレスを感じていないからです。

仕事でも同じです。自分にとってやりがいや、楽しさを感じられる仕事をしていれば疲れ方が違うはずです。好きだと感じる仕事、得意な事・挑戦したい仕事は何でしょう?ブラック企業でつぶされる前に、続けたいと思える仕事や職場を探してみてはいかがでしょう?

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