2018年07月06日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の69回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎経過ごとのメンタルヘルス不調の再発リスクとフォローアップのリワークプログラム(復職支援プログラム)での対応方法
〖職場復帰後(リワーク後)の経過(Ⅰ)〗
■適応期:復職~3ヵ月目(リワーク~3ヵ月目)
職場復帰してから数ヵ月(リワークしてから数ヵ月)は一般的に「通勤するだけで精一杯の段階」です。また、職場の問題と関係してメンタルヘルス不調を発病した勤労者の場合、この復職直後の時期(リワーク直後の時期)にメンタルヘルス不調の再発の可能性が高いので注意を要します。さらに、若年成人では、ほとんどのメンタルヘルス不調の再発・再燃はこの復職直後の時期に起こる(リワーク直後の時期に起こる)といわれています。復職直後の勤労者(リワーク直後の勤労者)は、当初は通勤することだけで疲労してしまうものです。また、一般的に、勤労者が復職(勤労者がリワーク)したからといって職場でその日からプロジェクトメンバーとして役割を持ったり、明確な任務が与えられたりすることは難しいため、自席の片づけやメールチェック、上司から頼まれたことの手伝いぐらいしかやることがないです。与えられた就労時間内に職場に身を置いているだけでもうまく力が抜けず緊張してしまい、周囲が淡々と働いている中でただ着席している自分とのギャップに引け目を感じ、メンタルヘルス面で疲労困憊してしまいます。一方、職場は比較的配慮ある受け入れをしてくれて、「無理しないでね」という雰囲気であることが多いようだが、復職後まもない(リワーク後まもない)勤労者はそれさえプレッシャーに感じてしまうことがあります。
そこで土曜フォローアップのリワークプログラム(土曜フォローアップの復職支援プログラム)では、この復職直後の時期(このリワーク直後の時期)は「メンタルヘルス不調の回復と不安・緊張の軽減」を最優先と位置づけています。まずは、毎日の睡眠の重要性を理解し合い、翌日に疲れを残さないように徹底します。そして、うつ病などメンタルヘルス不調になる前に自分がバリバリ働けていた頃のイメージと現在発揮できるパフォーマンスには差があり、それがメンタルヘルス不調からくるものであることを再認識してもらいます。周囲への引け目や焦りなどの気持ちも積極的に言語化して発散してもらい、翌週へ引きずらないように働きかけています。
⇒『(メンタルヘルス不調の再発・再燃のリスク)
・通勤するだけで精一杯の段階
・明確な任務が与えられたりすることは難しいため、自席の片づけやメールチェック、上司から頼まれたことの手伝いぐらいしかやることがない
・与えられた就労時間内に職場に身を置いているだけでもうまく力が抜けず緊張してしまい、周囲が淡々と働いている中でただ着席している自分とのギャップに引け目を感じ、メンタルヘルス面などで疲労困憊してしまう』
⇒『(アドバイスのポイント)
・メンタルヘルス不調からの回復と不安・緊張の軽減が最優先
・毎日の睡眠の重要性を理解し合い、翌日に疲れを残さないように徹底する
・うつ病などメンタルヘルス不調になる前に自分がバリバリ働けていた頃のイメージと現在発揮できるパフォーマンスには差があり、それがメンタルヘルス不調からくるものであることを再認識させる
・周囲への引け目や焦りなどの気持ちも積極的に言語化して発散してもらい、翌週へ引きずらないように働きかける』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。