2018年03月03日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の22回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第2ステージ(リハビリ期)の過ごし方〗
●リハビリ期とは? ~この時期にすべきこと~
要治療期(治療専念期)に続くリハビリ期はメンタルヘルス不調が少しずつ回復し、つらい気持ちが抜け始めてきます。この時期になると、うつ病などメンタルヘルス疾患のメンタルヘルス症状が消え始めるので、少しずつ職場復帰に向けて(リワークに向けて)メンタルヘルスを整えていくことが必要です。肉離れをしたマラソン選手で言えば、絶対安静の時期を終え、徐々にウォーキングからジョギングへと負荷をかけながら、もう一度マラソンができる身体を取り戻していくための時期になります。
マラソン選手はこの時期に「本当にもう一度フルマラソンを走れるようになるのか」「また、肉離れをしてしまいそうで怖い」と考えるようになり、復職後(リワーク後)の不安や心配が現実味を帯びてきます。それと同様に、うつ病などメンタルヘルス疾患の場合もこのリハビリ期には、今までは考えることすら面倒だった職場のことを意識するようになり、「再び、仕事に戻っていけるのだろうか」「自分が休む前に携わっていたあの仕事はどうなっているのだろう」といった不安や、「また、あのつらいメンタルヘルス症状が出てしまったらどうしよう」といったメンタルヘルス不調の再発に対する心配などを強く感じるようになるのです。さらに、ずっと仕事を休んで自宅で療養していることへの罪悪感に駆られ、早く職場復帰(早くリワーク)をしなければと焦り始めるのもこの時期の特徴と言えます。
しかし、このリハビリ期に適切なリハビリを行わずに焦って職場復帰(焦ってリワーク)をして、結果として再び休業を余儀なくされれば、患者様も自信を失うことになりますし、職場にも「あの人は職場復帰をする(リワークをする)ことができないのではないか」というマイナスの印象を与えてしまうことになります。そのため、この時期に適切なリハビリを行い、メンタルヘルスのエネルギーを十分に蓄え、メンタルヘルス不調を回復されて職場復帰につなげる(リワークにつなげる)ことが重要なのです。つまり、うつ病などのメンタルヘルス疾患で休業した場合の職場復帰に関して(リワークに関して)は、まさにこの時期の過ごし方が今後を左右する大きなポイントとなってくるのです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。