2016年07月05日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の41回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】さらに、今後の職場における“抑うつ状態”の課題として、成人になって気付かれる発達障害を念頭に置く必要があります。知的能力は高いもののコミュニケーション能力が低く、入社して比較的時間の経たないころに不適応による適応障害を呈する例はさほど珍しくないです。そういう人たちの過去を遡っていくと、発達障害を背景とし、児童・思春期にメンタルヘルス疾患を発症している例も少なくないです。
“抑うつ状態”のため休職となっても家庭で療養すればメンタルヘルス不調は回復してくるが、複雑なメンタルヘルス疾患の背景があり、復職(リワーク)可能と判断する時期の見極めは困難を極めます。就労を安全に継続できるメンタルヘルス不調の回復度をリワーク関係者らは復職準備性(リワーク準備性)と呼んでいるが、職場の求めるレベルが近年では以前より高くなっている可能性もあり、経験のあるメンタルヘルス専門医(精神科医・心療内科医)でも復職時期(リワーク時期)の見極めは容易ではないということはメンタルヘルス専門医(精神科医・心療内科医)にも認識されてきています。このようなことからリワークプログラム(職場復帰支援プログラム)の主要な目的は、復職準備性を判断(リワーク準備性を判断)することであると言えます。
すなわち、「医療リワーク」は治療としてのリワークプログラム(治療としての復職支援プログラム)の中で再休職しないレベルの復職準備性を確認(リワーク準備性を確認)すること、「職リハリワーク」は復職支援計画(リワーク支援計画)に基づいて主治医と会社への復職支援(リワーク支援)を行って復職準備性を高める(リワーク準備性を高める)こと、「職場リワーク」は復職を希望(リワークを希望)する社員に対して会社として復職させてもよい(リワークさせてもよい)レベルの復職準備性を見極める(リワーク準備性を見極める)ことを目的として行われると言えるでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。