2016年01月12日
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の19回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場復帰支援(リワーク支援)の各段階における家族の協力〗
ア.病気休業開始及び休業中の家族の協力
療養中は、本人の現在の病気の状況を正しく理解するとともに、本人が治療に専念し、十分な休養が取れるように配慮することが必要となります。
●ポイント
1.メンタルヘルスに対しての基本的な知識を持つようにする。
2.主治医より発症の原因、病状、治療方針、処方薬の効能、副作用の注意、復職の見込み(リワークの見込み)等の説明を受ける。
3.定期的に主治医の診察に同席して、本人の家庭での生活状況、症状及び対応について情報を提供し、助言を受ける。
4.不安や悩みがある時は家族だけで悩まないように、相談内容に応じて主治医、会社担当者、相談機関等で相談をする。
5.単身者の療養で、食事、睡眠等の規則的な生活習慣の維持等に不安がある場合は、できるだけ実家等家族と同居する。
イ.主治医により職場復帰が可能と判断(リワークが可能と判断)された場合の家族の協力
主治医より、「回復傾向が見られるので、そろそろ職場復帰が可能(リワークが可能)」との判断が出たら、家族としても、復職が可能な状態(リワークが可能な状態)なのかを日常生活の上で観察してください。その上で、主治医と面談し、家庭での状況を伝えて、回復の状況、復職に当たって(リワークに当たって)の条件等を確認することが必要です。病状が回復しないことや、病状が変化することで、本人はとても不安となりがちです。家族は無理に対応を強要したり、復職を促したり(リワークを促したり)しないように見守ることも大切です。
●ポイント
1.家庭での本人の睡眠、服薬、食事、その他日常生活に問題ないかを観察する。
2.家事や買い物の手伝い、本人の趣味等日常の行動にゆとりが出てきているか確認する。
3.家庭で憂うつ感、不眠、食欲不振等発症時のメンタルヘルス不調の症状が改善され、職場復帰に対する(リワークに対する)やる気、意欲を感じているかを確認する。
4.家族として仕事の適応に不安がある場合は、本人、主治医と相談して、リワーク支援施設のリワークプログラムによるリワーク支援を検討する。
ウ.職場復帰可否(リワーク可否)の判断と家族の協力
安全でスムーズな職場復帰を支援する(リワークを支援する)ためには、会社での最終的な職場復帰決定(リワーク決定)の手続きの前に、必要な情報の収集と確認を行った上で、まずは家族が職場復帰の可否を適切に判断(リワークの可否を適切に判断)してください。その上で、職場復帰に合わせた(リワークに合わせた)家庭での復職支援プラン(リワークプラン)を準備しておくことが必要となります。
●ポイント
1.会社での職場復帰支援プランの作成(リワークプランの作成)に当たって、必要に応じて家族から希望を伝えて、リワークプランに反映してもらう。
2.メンタルヘルス不調の原因が改善されているか確認する。
3.会社での職場復帰支援(会社でのリワーク支援)の具体的リワークプラン及び最終的な職場復帰の決定(最終的なリワークの決定)に関わる内容を確認するため、できるだけ会社の復職支援会議(リワーク支援会議)等に本人と同席して説明を受ける。
エ.職場復帰後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)と家族の協力
復職後(リワーク後)は、本人の家庭での状況について観察し、必要に応じて主治医、産業医、会社の関係者と情報交換をして、職場復帰が順調(リワークが順調)であるかを確認することが必要です。
●ポイント
1.家庭での本人の睡眠、服薬、食事、その他日常生活に問題ないかを観察する。
2.症状の再燃・再発の兆候や新しい問題の発生等がないか確認をする。
3.決められた服薬を勝手にやめていないか状況を確認する。
4.発症時と同じような症状または本人の体調、態度が急に変化したら、急いで主治医の診察を受けさせる。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。