ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その17)
2018年11月21日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の17回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(ⅩⅥ)
◎メンタルヘルス状態の回復の実感③
~ふと気づくと、治療の段階を一段上がっていた~
メンタルヘルス不調がよくなったという感覚は、不意に訪れるものだと言います。気がつくと、以前よりメンタルヘルス状態がよくなっていて、先の見通しも立っているのです。
■メンタルヘルスの反応がよみがえってくる
⇒抑うつ状態などメンタルヘルス不調から脱しても、「なんとなく楽しめない」「無味乾燥」「ビビッドな感覚がない」というメンタルヘルス症状がしばらくつづくと言います。そして、本格的にメンタルヘルス状態が回復してくると、楽しみやビビッドな感覚が戻ってくるそうです。
しかし、休職をくり返し、どうすればメンタルヘルス不調が治るのかがわからない時期に、本人には先がみえません。暗闇のなかをさまよっているような心境です。職場復帰の見通し(リワークの見通し)や、メンタルヘルス不調の再発予防のめどが立たず、自分のしていることに確信がもてないです。視界が閉じているように感じます。「治療は進んでいるんだろうか。いつかまた復職して働ける(リワークして働ける)ようになるのかな」など、悶々としてしまいます。いわば暗い雲のなかを、低空飛行しているような状態で、前がみえなくて不安です。
その後、メンタルヘルス科の外来診察やリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)に通って、リワークプログラムでの治療(復職支援プログラムでの治療)を受け、悩みやリワークプログラムで課題にコツコツと向き合って(復職支援プログラムで課題にコツコツと向き合って)いると、メンタルヘルス状態が回復してきます。ただし、メンタルヘルス状態の回復の実感は、必ずしも劇的なものではないようです。むしろ、失われていたメンタルヘルス反応が、自分でも気づかないうちに元に戻っているという感じなのでしょう。
「生活記録をみるかぎり、メンタルヘルスが安定してきた。ちょっとはよくなってきたのかな?」「メンタルヘルス科の外来通院や服薬の習慣ができてきた。メンタルヘルス疾患は確実によくなっているから大丈夫。でもまだメンタルヘルス疾患の治療を終わらなくてもいい」「リワークプログラム仲間(復職支援プログラム仲間)と交流できるリワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)に居心地のよさを感じる。居心地のよいリワークプログラム(居心地のよい復職支援プログラム)から出たくない。もっとリワークプログラムで語り合い(復職支援プログラムで語り合い)たい」など、本人がまだ「このリワークプログラムで治して(復職支援プログラムで治して)いきたい」と考えているくらいの時期に、メンタルヘルス状態としては十分に回復してきます。復職準備性が整い(リワーク準備性が整い)、復職の見通しが立ち(リワークの見通しが立ち)ます。
このリワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)の体験談として、メンタルヘルス科の外来診察やリワークプログラムなどデイケアにしっかり通い(復職支援プログラムなどデイケアにしっかり通い)、メンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)や復職支援施設(リワーク施設)スタッフ、リワークプログラム仲間との話し合い(復職支援プログラム仲間との話し合い)で、リワークプログラム治療を順調に進めて(復職支援プログラム治療を順調に進めて)きている実感があったと言います。
メンタルヘルス不調が治ったという自覚はありませんでしたが、このままリワークプログラムをつづけていこう(復職支援プログラムをつづけていこう)と思っていました。頼りになるリワークプログラム仲間(頼りになる復職支援プログラム仲間)に囲まれていたので、「もうしばらく、このままリワークプログラムで過ごし(復職支援プログラムで過ごし)たい」という気持ちだったかもしれません。
メンタルヘルス不調がよくなってきた時期に、復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)から「そろそろ復職の時期(リワークの時期)を決めましょう」と言われました。復職支援スタッフ(リワークスタッフ)から復職時期の決定(リワーク時期の決定)をうながされてはじめて、自分が思っていた以上にメンタルヘルス状態が回復していたことを知ったそうです。
このように気がつくと低空飛行が終わり、雲を抜けて、視界の開けた空を飛んでいます。メンタルヘルス状態の回復は自然とやってきて、本人も気づかないくらい、メンタルヘルス不調が自然によくなって、復職準備性(リワーク準備性)が整っていきます。
反対に、自らメンタルヘルス状態からの回復を強く意識し、もう大丈夫だとアピールしている場合には、まだメンタルヘルス不調がよくなっていない可能性があります。早くメンタルヘルス不調が治りたくて、ややオーバーにメンタルヘルス状態の回復をうったえているのです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。