ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その1)
2018年10月10日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「リワーク(復職支援)プログラム」というタイトルで、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
仕事をしていて、うつ病などのメンタルヘルス不調になって、しばらく休職してから、復職したい(リワークしたい)と思う人は、たくさんいます。復職すれば(リワークすれば)、職場ではメンタルヘルス不調になる前と同じストレスがあります。つまり、(本人にとっては考えたくないことですが)復職時(リワーク時)にメンタルヘルス不調が再発する可能性は、否定できないのです。メンタルヘルス不調が再発しては、本人はもちろん、家族も職場も、みんなが困ります。
休んでいるときは、「復職すること」がゴール(「リワークすること」がゴール)にみえますが、本当のゴールは、「メンタルヘルス不調が再発しないで仕事を続けること」です。復職前(リワーク前)には、メンタルヘルスの調子を整え、休んでいる間に落ちてきたメンタルヘルス症状をとり戻すことが必要ですが、これだけでは、「目前の復職(目前のリワーク)のハードル」を越えるだけです。「メンタルヘルス不調が再発しないで仕事を続ける」ためには、職場で以前と同じようなストレスに出会ったときの対応力を、以前より改善しておく、長い目でみたとりくみが必要です。職場のストレスには、対人関係が影響するので、対人葛藤の受け取り方(認知)、自分の考えの伝え方(アサーション)についても、振り返っておいたほうがよいでしょう。
復職する人(リワークする人)には、「メンタルヘルス疾患が再発する可能性」という脆弱性ーーマイナスな面と、「仕事をする能力がある」という資質ーープラスな面があります。この二つの面を統合して、「マイナスな面が出ないように、プラスな面を伸ばす」「気をつけながらがんばる」という、新しい考え方、新しい生き方を身につけてもらうことが、リワークプログラムの目的(復職支援プログラムの目的)です。
リワークプログラムの長所(復職支援プログラムの長所)は、仲間がいることです。復職しようとするとき(リワークしようとするとき)に、まわりに同じような状況の人がいないために、孤独を感じることが多いのですが、リワークプログラムでは、同じ状況にある参加者(復職支援プログラムでは、同じ状況にある参加者)が、お互いに共感し合ったり、支え合ったりしています。新しい考え方、新しい生き方を、長期的に身につけるとき、リワークプログラムの仲間(復職支援プログラムの仲間)の存在は、とても大きなたすけになります。
次回以降、リワークプログラムについて、わかりやすく説明(復職支援プログラムについて、わかりやすく説明)していきます。復職を考えている人(リワークを考えている人)、家族、復職する人を迎える職場の人(リワークする人を迎える職場の人)に、是非参考にしてほしいと思います。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。