2018年09月26日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の111回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩⅠ)
◎リワークプログラム(復職支援プログラム)❾
■復職支援施設(リワーク施設)など医療機関におけるリワークプログラム(医療機関における復職支援プログラム)
(1)リワークプログラムのはじまり(復職支援プログラムのはじまり)と広がり
⇒2007(平成19)年に厚生労働省が実施した労働者メンタルヘルス状況調査によると、過去1年間においてメンタルヘルス上の理由により連続1ヵ月以上休業または退職した勤労者がいる事業場の割合は、7.6%となっています。規模が100~299人の事業場では37.5%と少ないものの、300~999人では67.0%、1,000人以上では90%以上となり、一定規模以上の事業場では相当の割合でメンタルヘルス上の理由により休職または退職した勤労者を抱えていると考えられます。一方、厚生労働省の患者調査の推計患者数では、1996(平成8)年には気分障害(躁うつ病を含む)などメンタルヘルス障害は60.3万人であったが、2008(平成20)年には108.81万人と大幅に増えており、受療率でも気分障害(躁うつ病を含む)などメンタルヘルス障害の受療率は人口10万人当たり平成8年の48人から平成20年には85人と、ほぼ倍増しています。
このような背景のもと、企業内でうつ病などメンタルヘルス不調で休職する社員が増えるとともに、いったん復職しても再度休職(リワークしても再度休職)する社員も多く見られるようになっています。復職しても再度休職する要素(リワークしても再度休職する要素)としては、現代型のうつ病が増えてきたとの指摘がなされており、休養と薬物療法による治療では復職が困難な事例も多く発生(リワークが困難な事例も多く発生)するようになってきています。そのために新たな治療手法として、心理療法とリハビリテーションが注目されるようになったと言えます。
休職中の社員に対して職場復帰を目的(リワークを目的)とするリハビリテーションは、1997(平成9)年にメンタルヘルス科作業療法の枠組みで始めた職場復帰援助プログラム(リワーク援助プログラム)(RAP)を先がけとし、その後2005(平成17)年に始めたメンタルヘルス科デイ・ケアを中心にショートケア、集団通院メンタルヘルス療法などの診療報酬上での枠組みを利用して全国のメンタルヘルス専門医療機関に広がっていきました。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。