2018年09月14日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の103回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅢ)
◎リワークプログラム(復職支援プログラム)❶
⇒リワークプログラムとは、在職メンタルヘルス障害者の職場復帰支援プログラムの通称です。平成14年度に独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(現在の高齢・障害・求職者雇用支援機構)障害者職業総合センターで試行が開始され、その後各都道府県の地域障害者職業センターで展開されています。メンタルヘルス障害者職業カウンセラーおよびアシスタントが、主治医(精神科医・心療内科医)、当該労働者の職場関係者と連携しながら、12~16週程度の復職支援活動(リワーク活動)を行っています。状況によって、職場に出向いてその受け入れや上司・同僚の理解促進に関する助言・復職支援を行う(上司・同僚の理解促進に関する助言・リワークを行う)ところに大きな特徴があります。内容は、①社会生活リズムの再構築、基礎体力、集中力の回復、②メンタルヘルス障害の理解、ストレス、疲労の自己管理の習得、③コミュニケーション方法の習得、④職場復帰後(リワーク後)の新たな職務や環境に対する対応力の向上、⑤キャリアプランの再構築が中心です。認知行動療法も積極的に取り入れられています。
メンタルヘルス不調によって長期間休業した労働者が職場復帰をする際(リワークをする際)、薬物治療などによるメンタルヘルス症状の改善と生活リズムの立て直しを行うだけでは、復職をしても(リワークをしても)短期間のうちにメンタルヘルス不調が再燃し職務の遂行や安定した出勤が困難となって再休業に至ることが少なくないです。業務に関する知識や技術的な側面に加え、ストレス対処、対人関係の持ち方、時間管理、主張の表現法、仕事に対する取り組み姿勢、さらには職業観などについて、再度自らを見つめなおすことがメンタルヘルス不調の再燃・再発に重要である例が散見されます。
リワークプログラムは、こうした問題に焦点を当て(復職支援プログラムは、こうした問題に焦点を当て)、リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)が職場復帰にあたって障害となっている(リワークにあたって障害となっている)、あるいはなると予想される問題を評価し、その改善に向けた働きかけを行うものといえます。
リワークプログラムへの参加(復職支援プログラムへの参加)は、本人が主治医(精神科医師・心療内科医師)と相談の上決めるものであり、職場関係者が強制すべきではないが、休業中の段階でリワークプログラムの存在、有用性に関する情報(復職支援プログラムの存在、有用性に関する情報)を提供し、リワークプログラムの利用(復職支援プログラムの利用)に関して主治医(心療内科医・精神科医)と相談することを促すのは円滑な職場復帰(円滑なリワーク)に寄与すると考えられます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。