復職支援(リワーク)(その99) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

ブログブログ

ホーム > ブログ > 復職支援(リワーク)(その99)

復職支援(リワーク)(その99)

2018年09月07日 

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の99回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅸ)
「復職支援手引き」の概要「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方リワークの進め方)❼
⇒⑤<第5ステップ>
職場復帰後のフォローアップリワーク後のフォローアップ)の目的は、当該労働者がメンタルヘルス不調の再発や再燃をきたさずに、あるいはメンタルヘルス不調がみとめられても、早期の適切な対応によりその職務遂行能力を順調に高め、職場再適応を果たすのを職場復帰支援リワーク支援)するところにあります。
職場復帰時に想定リワーク時に想定)した職場復帰プランリワークプラン)が順調に進んでいるかどうかを確認し、復職支援プランが困難リワークプランが困難)となっていれば、原因や問題点を明らかにして、再度復職支援プランを見直すリワークプランを見直す)作業が中心となります。
この場合の復職支援この場合のリワーク)は、中心となる職種により次の3つに分けることができます。
1)上司(同僚)の復職支援上司(同僚)のリワーク
職場復帰プランに沿ってリワークプランに沿って)、職務に関する指示を出し、その成果を評価します。最近、多くの中間管理職はプレイングマネージャー化して多様な職務を抱え、部下管理に十分な時間を割く余裕がない状況にあることが指摘されるが、この過程を丁寧に行うことは非常に重要です。上司には、職場復帰の際リワークの際)に、その旨をよく理解してもらっておく必要があります。
2)産業保健職(産業医、看護職)の復職支援産業保健職(産業医、看護職)のリワーク
当該労働者のメンタルヘルス不調の再発や再燃の有無を確認します。また、労働者のストレス状態を評価し、職場復帰プランが順調リワークプランが順調)に進んでいるかどうかをモニターします。随時、主治医(精神科医・心療内科医)と連携をとり、必要に応じて復職支援プランの軌道修正リワークプランの軌道修正)や見直しを提言する役割も担います。さらに、当該労働者のみならず、本人を受け入れている職場の関係者、特に上司と接する場を持って、彼らのストレスを確認し、労いやストレス軽減に向けた現実的な助言を行うことも重要です。
3)人事労務管理部署の復職支援人事労務管理部署のリワーク
産業保健職と同様に、人事労務管理部署からも、本人、上司への復職支援本人、上司へのリワーク)を継続します。職場復帰プランの策定リワークプランの策定)に引き続き関与し、必要によっては、人事関連の就業規則類の適用に関する説明の実施や適正配置のための人事異動の検討も行います。
特に、当該労働者がメンタルヘルス不調に陥り休業に至った明らかな要因が職場に見つからない場合には、上司や同僚の復職支援活動上司や同僚のリワーク活動)を当該部署の成績に加味するなどの報酬面の配慮が考慮されてもよいです。
職場復帰後のフォローアップに活用リワーク後のフォローアップに活用)できるツールとして、「職場再適応復職支援職場再適応リワーク)チェックリスト」が開発されています。労働者(本人)向け項目と管理監督者(上司)向け項目からなっており、双方に含まれる項目が大半を占めています。職場復帰時リワーク時)および職場復帰後リワーク後)に、本人、上司、産業保健職(産業医、産業看護職など)が、現在の本人の状況(主としてメンタルヘルス不調の回復度)を確認して、その後の就業面の配慮、本人がどのような点に注意し、どのような仕事に従事するかを話し合う際の、参考資料として活用されることを意図しています。
事前に、本人および上司に配布し、話し合いの席に、記入済みの用紙を持ち寄ってもらって、両者の一致している点を確認するとともに、ずれがある(例えば、本人はできているのに、上司は不十分であると判断している)点について、産業保健職の立会いのもとに問題点を率直に話し合うという使用法を標準とします。「全職種共通」項目と「職種別」項目をあわせて使用します。(例えば、営業職であれば、「全職種共通」と「営業職」の項目を同時に実施する)。
職場再適応復職支援チェックリストリワークチェックリスト)には、使用する時期(職場復職時職場リワーク時)、復職後1ヵ月リワーク後1ヵ月)、復職後3ヵ月リワーク後3ヵ月)、復職後6ヵ月リワーク後6ヵ月))が目記されているが、あくまで目安であり、それぞれの復職後経過時点リワーク後経過時点)で、該当項目が達成されているべきであるということではないです。達成時期は、メンタルヘルス不調の種類職場復帰時の状態リワーク時の状態)(どのくらいのメンタルヘルス不調からの回復レベル職場復帰するかリワークするか))、治療薬の副作用、職務内容、職場環境等によって異なってきます。職場再適応復職支援チェックリスト職場再適応リワークチェックリスト)を復職後の業務リワーク後の業務)に関する成績表の類として用いるのは適切でないです。
こうした復職支援チェックリストを使用リワークチェックリストを使用)することによって、当該労働者と上司との間の職場再適応状況に関する認識のずれ、その復職後経過時点そのリワーク後経過時点)での問題点などが可視化され、次の課題も明らかになることが期待できます。各職場により適した類似のチェックリストを作成し使用してもよいです。
メンタルヘルス疾患の場合、メンタルヘルス症状が軽減した後も、メンタルヘルス不調の再発や再燃の防止のため、薬物療法を中心とした治療が長期にわたって行われることが多いです。産業保健職は、当該労働者の職場復帰後当該労働者のリワーク後)も、主治医(精神科医師・心療内科医師)との連携を続け、治療状況を確認するとともに、職場における当該労働者の仕事ぶり、再適応状況等を報告します。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

ページトップに戻る

レスポンシブウェブデザイン