2018年08月25日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の93回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅲ)
◎「復職支援手引き」の概要(「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方(リワークの進め方)❶
⇒厚生労働省から公表されている「心の健康問題(メンタルヘルス不調)により休業した労働者の職場復帰支援(リワーク支援)の手引き」(復職支援手引き(リワーク手引き))(2004、2009改訂)は、メンタルヘルス不調者などうつ病休職者の復職(うつ病休職者のリワーク)と復職支援の実態(リワークの実態)を踏まえ、メンタルヘルス不調によって休業した労働者の職場復帰支援のあり方(リワーク支援のあり方)を包括的に示したものであり、重要な点については具体的な記述もなされています。中小規模事業場も含めた大半の事業場において参考となる内容であり、職場における復職支援活動(リワーク活動)は、復職支援手引きを基本(リワーク手引きを基本)として推進されることが望まれます。復職支援手引きの要点(リワーク手引きの要点)を表1にまとめました。
◇表1 「心の健康問題により休業(メンタルヘルス不調により休業)した労働者の職場復帰支援(労働者のリワーク支援)の手引き」の要点
『■制度、システムを構築し、それを確実に運用する
ーー手順、使用する書面、役割分担などを決める
ーー日頃から周知しておく
ーー事例によって適用のしかたを変えず、平等性を重視する
■職場復帰を長尺(リワークを長尺)でとらえる
ーー休業開始から復職後(リワーク後)のフォローアップまでを復職支援の枠組み(リワークの枠組み)とする
■職場で行うべき判断、対応を怠らない
ーー復職の可否の判断(リワークの可否の判断)、復職後の配慮(制限)(リワーク後の配慮(制限))、受け入れ職場への目配りなどが該当
■主治医(精神科医・心療内科医)等との連携を重視する
ーー早期に復職を認める(リワークを認める)ための要件、休業に関する制度等を伝える
■情報管理を適切に行う』
復職支援の手引きの中(リワークの手引きの中)では、職場復帰支援の枠組み(リワーク支援の枠組み)を、当該労働者が休業を開始してから職場復帰を果たし(リワークを果たし)職場に再適応するまでの期間の活動とし、5つのステップに分けて整理しています(図1)。産業保健スタッフや上司の果たすべき役割、整理すべき制度、主治医(精神科医師・心療内科医師)との連携方法などシステム化し運用することの重要性も強調しています。
◇図1 職場復帰支援の5つのステップ(リワーク支援の5つのステップ)(「復職支援手引き」より(「リワーク手引き」より))
『<第1ステップ>ーメンタルヘルス疾病休業開始及び休業中のメンタルヘルスケア
⇓
<第2ステップ>ー主治医(心療内科医・精神科医)による復職可能(リワーク可能)の判断
⇓
<第3ステップ>ー職場復帰の可否(リワークの可否)及び職場復帰支援プラン(リワーク支援プラン)の作成
⇓
<第4ステップ>ー最終的な職場復帰の決定(リワークの決定)
⇓
<第5ステップ>ー職場復帰後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。