2018年08月20日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の89回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖「心の健康問題(メンタルヘルス不調)により休業した労働者の職場復帰支援(リワーク支援)の手引き」(復職ガイドライン(リワークガイドライン))〗(Ⅶ)
■職場復帰に向けたコーディネート(リワークに向けたコーディネート)と復職支援プラン(リワークプラン)への合意形成
⇒休職者の職場復帰支援(休職者のリワーク支援)を展開する前段階として、休職者や家族、主治医(精神科医・心療内科医)、企業の産業保健スタッフとの復職に向けた(リワークに向けた)復職支援プランへの合意(リワークプランへの合意)を得るため、事前のコーディネートが入念に行われます。
復職に向けた復職支援プランへの合意形成(リワークに向けたリワークプランへの合意形成)の初歩的検討事項としてあげられるのが、メンタルヘルス障害者の就労支援専門機関である地域障害者職業センター(以下、地域センター)を利用することに対する心理的な抵抗感の問題です。これは休職者だけではなく、家族や、また、ときとして主治医(精神科医師・心療内科医師)の中にも見られることがあります。地域センターの担当者によれば、特にうつ病などメンタルヘルス不調の初発者については地域センター利用の合意を得にくい傾向にあるが、リワーク支援の利用(職場復帰支援の利用)に当たっては「精神障害者保健福祉手帳(以下、福祉手帳)」の取得を前提としていないことや、円滑な職場復帰(円滑なリワーク)を実現していくための有効なリワークプログラム(復職支援プログラム)であることについて説明すれば、うつ病などメンタルヘルス不調の初発者であってもリワーク支援利用の意向(職場復帰支援利用の意向)を示す者が少なくないとのことです。
一方、慢性・遷延化しており、就業が安定しない休職者についてはリワーク支援の利用勧奨(職場復帰支援の利用勧奨)とあわせ、福祉手帳の取得についても検討がなされることがあるが、実際に福祉手帳の取得に至るケースはごくまれであり、採用後のメンタルヘルス不調によって休職に及んだ者を法定雇用率の算定対象にすることについては困難が伴います。
■基礎評価の実施と復職支援計画(リワーク計画)の策定
⇒リワーク支援開始前(職場復帰支援開始前)に休職者の体調、メンタルヘルス変動、作業メンタルヘルス活動の状況などを評価します。また、雇用事業主から事業所内の復職支援体制(リワーク体制)に関する情報を収集するのとあわせ、主治医(心療内科医・精神科医)に対しても職場復帰支援のあり方(リワーク支援のあり方)に関する所見を求めるなどして、復職支援関係者(リワーク関係者)ネットワークの状況について把握します。これらの基礎評価の結果に基づき、地域センターのメンタルヘルス障害者職業カウンセラーをはじめとする復職支援専門スタッフ(リワーク専門スタッフ)、休職者、主治医(心療内科医師・精神科医師)、企業の産業保健スタッフらによるケースカンファレンスが開催され、当面の復職支援期間(リワーク期間)や復職支援目標(リワーク目標)、復職支援内容(リワーク内容)などが職業リハビリのリワークプログラム計画(職業リハビリの復職支援プログラム計画)および事業主復職支援計画(事業主リワーク計画)として策定されます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。