2018年07月05日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の68回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後(リワーク後)のフォローアップ
◎メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム(戦略的復職支援プログラム)
⇒メンタルヘルス専門医療機関の中には、平日のリワークプログラム(復職支援プログラム)参加者で復職を果たした(リワークを果たした)患者様に対して毎週土曜日のリワークプログラム(毎週土曜日の復職支援プログラム)で復職後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)を行い、メンタルヘルス不調の再発防止に取り組んでいる施設があります。このリワークプログラムを通じて(この復職支援プログラムを通じて)、うつ病などメンタルヘルス不調から復職した勤労者(リワークした勤労者)がおおよそ抱くメンタルヘルスの変遷に経時的なパターンがあることがわかってきました。したがって、こうしたメンタルヘルス的リスクをあらかじめ予測して職場が対応することができれば、メンタルヘルス不調の再発のリスクを減らすことに繋がると考えられます。
具体的には、フォローアップのリワークプログラム(フォローアップの復職支援プログラム)は毎週土曜日に開かれ、午前の部(9:30~12:00)と午後の部(13:00~15:30)に分かれて行われています。リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)は自分の都合に合わせて、午前の部または午後の部のどちらかのリワークプログラムへ参加(復職支援プログラムへ参加)します。ほとんどの人は、復職直後(リワーク直後)は毎週参加をします。復職してから数ヵ月(リワークしてから数ヵ月)が過ぎ、安定した就労が続いていてメンタルヘルス不調も回復してきた頃を見計らって、リワークプログラム参加の間隔(復職支援プログラム参加の間隔)を2週に1回や4週に1回などと広げていきます。リワークプログラム参加の頻度(復職支援プログラム参加の頻度)を徐々に減らしていくのは、いつかはリワークプログラムから完全に巣立たせる(復職支援プログラムから完全に巣立たせる)ことを意識しているからです。つまり、復職当初(リワーク当初)はフォローアップのリワークプログラムによって就労継続(フォローアップの復職支援プログラムによって就労継続)が支えられていた状態であっても、次第にそこからメンタルヘルス専門医療機関以外の人(たとえば家族、友人、地域住民、職場の同僚)とのかかわりの中でメンタルヘルスケアができるようになることが本当の意味での職場復帰(本当の意味でのリワーク)であると考えています。
土曜フォローアップのリワークプログラム(土曜フォローアップの復職支援プログラム)では、“その週の嫌な思い、その週のうちに(処理しよう)!”を合言葉に、主としてピアカウンセリングにより1週間の出来事を振り返り、出来事や思ったこと、自分がとった行動、心に残った嫌な思いを吐露して、メンタルヘルスの整理を行っています。また、リワークスタッフ(復職支援スタッフ)が規則正しい生活リズムのアドバイスを行ったり、食事・栄養指導などのアドバイスをしたりもしています。
このような復職後のフォローアップへの取り組み(リワーク後のフォローアップへの取り組み)から、うつ病などメンタルヘルス疾患で休職して復職(休職してリワーク)した場合、どんな人でも遭遇する可能性がある一般的なメンタルヘルス面でのリスクがあることが次第にわかってきました。
次回以降では、職場復帰後に勤労者が直面する(リワーク後に勤労者が直面する)メンタルヘルス的リスクならびにそれぞれの局面でどのような働きかけが可能であるか、そしてフォローアップのリワークプログラムではどのようなアドバイスをしているのか(復職支援プログラムではどのようなアドバイスをしているのか)を述べます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。