2018年04月15日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の39回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎リワークプログラム(復職支援プログラム)の適用
リワークプログラムは休業者を対象に行われる職場復帰支援プログラムなので、リワーク施設(復職支援施設)にもよりますが、最低でも2,3ヵ月程度は継続的にリワークプログラムに通う(復職支援プログラムに通う)ことを前提に計画が立てられます。そのため、短期間(1~3ヵ月程度)の休業の場合は、1人で行う復職支援プログラムを計画(リワークプログラムを計画)した方が良いでしょう。リワークプログラムを使って(復職支援プログラムを使って)職場復帰を考えた(リワークを考えた)方が良い場合としては次のような場合が考えられます。
・休業期間が半年以上に渡るなど、職場から長期間離れていた場合
・以前、メンタルヘルス障害により長期休業したことがあり、二度目以上の職場復帰に当たる(リワークに当たる)場合
・会社に軽減勤務の制度がなく、職場復帰後(リワーク後)、すぐに本来の業務が求められる場合
・休業中に1人で行う復職支援プログラムを計画(1人で行うリワークプログラムを計画)したけれど、うまくいかなかった場合
・独り暮らしで、周囲の職場復帰支援(リワーク支援)が期待できない場合
◎リワークプログラムのメリット(復職支援プログラムのメリット)
リワークプログラムの利点(復職支援プログラムの利点)は専門のリワーク施設(専門の復職支援施設)で長期休業をしている患者様が集まりリワークプログラムが実施(復職支援プログラムが実施)されるので、1人で行う復職支援プログラム(1人で行うリワークプログラム)では得ることのできないメリットがあります。
・専門的な立場からのうつ病などメンタルヘルス不調に対する正しい知識を習得できる
・常に客観的に状況を判断することができるリワークスタッフ(復職支援スタッフ)がいる
・より職場に近い環境でリワークプログラムを受ける(復職支援プログラムを受ける)ことができる
・集団で行うリワークプログラム(集団で行う復職支援プログラム)によって、コミュニケーションスキルなどが獲得できる
・同じ悩みを持ち、同じ境遇に置かれている仲間と一緒に職場復帰を目指せる(リワークを目指せる)
・ソーシャルワーカーやメンタルヘルス専門のカウンセラーによる職場との環境調整が可能である
・専門のリワーク支援施設(専門の職場復帰支援施設)における実践的なリワークプログラム(実践的な復職支援プログラム)のため、復職をする(リワークをする)職場にも安心感を与えられる
・メンタルヘルス疾患の再発予防教育など、職場復帰後も安心(リワーク後も安心)して就労できるようになる
◎リワークプログラムの効果(復職支援プログラムの効果)
実際にリワークプログラムにはどれほどの効果(復職支援プログラムにはどれほどの効果)があるのでしょうか。リワークは復職することではなく復職後も働き続けられること(リワーク後も働き続けられること)を目的としたリワークプログラム(目的とした復職支援プログラム)です。そのためリワークプログラムの効果判定(復職支援プログラムの効果判定)には復職後の就労継続状況(リワーク後の就労継続状況)が用いられます。
メンタルヘルス疾患による休職後に復職(休職後にリワーク)した565名のその後の就労継続状況を検討した研究結果によれば、リワークプログラムを利用(復職支援プログラムを利用)せずに復職した人(リワークした人)は、リワークプログラム利用者(復職支援プログラム利用者)と比較して再休職のリスクが約2倍高かったことがわかりました。さらに同じ研究でリワークプログラムを利用(同じ研究で復職支援プログラムを利用)せずに復職した者(リワークした者)の年齢や性別、診断名やこれまでの休職歴、業種や企業規模などを調整して解析を行った結果、再休職のリスクはなんと6.21倍にもなったといいます。このようにリワークプログラムは再発予防に有用(復職支援プログラムは再発予防に有用)であることがわかります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。