2018年04月14日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の38回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リワークプログラム(復職支援プログラム)を用いた職場復帰支援(リワーク支援)
皆様は「リワークプログラム」という言葉(「復職支援プログラム」という言葉)を聞いたことがあるでしょうか。「リワーク」とは「職場復帰」の“Return to Work”を意味する造語で、医療機関や精神保健福祉センターや障害者職業センターなどで行われている、うつ病などのメンタルヘルス障害で休業している方を対象とした職場復帰の取り組み(リワークの取り組み)のことを指します。近年、うつ病などメンタルヘルス障害による長期休業者の増加という社会背景から、さまざまな機関で職場復帰のため(リワークのため)の取り組みがなされるようになってきているのです。
リワークプログラムの実施施設(復職支援プログラムの実施施設)は、①医療機関・精神保健福祉センターにおいて医師(精神科医・心療内科医)・保健師・看護師・ソーシャルワーカーなどの医療関係者(リワーク関係者)を中心に精神科デイケアとして実施されているものと、②独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のメンタルヘルス障害者支援事業の一つとして障害者職業センターにおいて、メンタルヘルス専門のカウンセラーが中心にメンタルヘルス障害者総合雇用支援として実施されているものの二つに大きく分けられます。
前者は、医療スタッフ(リワークスタッフ)がいるリワーク施設(復職支援施設)で実施されていることから、急なメンタルヘルス不調に対応でき、職種に限定なくリワークプログラムを利用(職種に限定なく復職支援プログラムを利用)できるメリットがある反面、精神科デイケアとしての医療費の負担が必要です。それに対し、後者は財源が雇用保険であるために、民間企業の休業者であれば費用の負担なくリワークプログラムを利用(費用の負担なく復職支援プログラムを利用)できますが、公務員の場合にはリワークプログラムの利用(復職支援プログラムの利用)が不可能で、かつ医療スタッフ(リワーク支援スタッフ)がリワーク施設の中(復職支援施設の中)にいないという欠点があります。そのため、職業・メンタルヘルス症状・通所距離・費用負担など総合的に考慮して、どこのリワーク施設を利用(復職支援施設を利用)するかを決定した方が良いでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。