2018年02月22日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の17回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰をする(リワークをする)ために必要な自宅療養のポイント
■通院、抗うつ薬の服用は精神科医・心療内科医の指示通りに行う
休養期間中にきちんと通院を行い、薬の服用を規則正しく行うことは重要です。特に治療を始めて間もない時期は、メンタルヘルス症状が不安定なことが多いので、的確なアドバイスを受けるために、こまめに主治医の診察を受けるほうが良いでしょう。また、薬の服用に関しても薬の効き具合や副作用の出現などから、種類や量を調整することで自分のメンタルヘルス症状に合った薬を見つけることができます。
■仕事からは徹底的に離れる
休養中も仕事のことが頭から離れず、職場に「あの仕事は今どうなっていますか?」と電話をしたり、「引継ぎが十分に行われていなかったので心配で……」と会社に出向いたりすることがよく見られます。このような中途半端な休養はうつ病などメンタルヘルス不調の回復を遅らせてしまいます。確かに突然休んでしまい、全く仕事の引継ぎができていない場合、それが気がかりで十分に休養できないこともあるでしょう。1、2日間、引継ぎのみを目的に職場に顔を出すことは意味のあることかもしれませんが、それ以上職場のことを考え始めるとキリがなくなってしまいます。そもそも、もし誰かが心筋梗塞で緊急入院となっても、会社は何とか代わりの人材を立てて急場をしのぐものですから、必要以上に仕事のことを心配しないことが大切なのです。うつ病などのメンタルヘルス不調で休養中の患者様が考えるべきことは「うつ病などのメンタルヘルス不調を治して元気に会社に復職すること(リワークすること)」であり、「そのために仕事から徹底的に離れることも重要なのだ」と認識することなのです。
■身体の疲労は極力避ける
上記うつ病などメンタルヘルス不調で休養していると周囲の人は「家でゴロゴロしているのは良くないのでは……」というような間違った認識から心配をして、外に連れ出そうとすることがよくあります。ですが、休養中に外出することで結果的に身体的な疲労に結び付いてしまい、上記うつ病などのメンタルヘルス不調の回復を遅らせることになります。また、生活のリズムを整えるために休養中に運動を取り入れる方もいますが、運動は気持ちいいと思う程度にとどめ、疲れたと感じるまでやらないようにしましょう。
■大切な決断は保留
この時期には、仕事で周囲の人に迷惑をかけたという罪悪感から、仕事を辞めた方が良いのではないかと思うようになることや、仕事にも行けなくなった自分を責め、妻に申し訳ないので離婚した方がいいのではないかと考えてしまいがちです。ですが、このような気分になるのは、メンタルヘルス疾患の影響によるものなので、大切な決断はメンタルヘルス疾患が良くなるまで保留をするようにしましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。