2018年02月08日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の5回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎産業医の位置づけ
大まかなうつ病の治療の流れをご理解していただいた後で、次は職場復帰と産業医(リワークと産業医)の関係についてお話ししたいと思います。
産業医の仕事は、職場において労働者が健康で快適な職場環境のもとで仕事が行えるよう、医学的な視点から指導・助言を行うことです。それでは、産業医は職場復帰の場面(リワークの場面)において、どのような役割を果たすのでしょうか?職場復帰に際して(リワークに際して)は、主治医が出す復職許可(リワーク許可)は重要になりますが、残念ながら主治医は職場の現状や本人の職務内容などを詳しく知ることができる立場にありません。しかし、実際の職場復帰(実際のリワーク)には本人のメンタルヘルス不調だけでなく、職場の状況や職務内容も大きな影響を及ぼします。
そして最終的に会社(事業主)が、自らの責任において職場復帰の可否(リワークの可否)の判断やその際の職場・職務・勤務時間などの条件を決定するのですが、会社の社長や人事・労務担当などはメンタルヘルスの専門的知識を持ち合わせていないので、その際に指導、助言を行うのが産業医なのです。
産業医は主治医からの復職診断書(リワーク診断書)に基づいてメンタルヘルス不調を把握し、職場から現在の職場の状況を聞くことで、その環境が職場復帰に適する(リワークに適する)ものなのかを検討した上で、人事・労務担当と人事異動や職務軽減などを含めた会社としての職場復帰条件(リワーク条件)について調整を行います。
このように産業医は、主治医と職場の架け橋となり、メンタルヘルス不調と社内事情をいろいろと考えた上で、職場復帰についての助言(リワークについての助言)を行う立場なのです。
よく、産業医は会社側の医者だと思われることがありますが、産業医の理念として「労働者と会社に対し、中立であること」が求められているので、安心して相談することができるのです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。