2018年02月03日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「復職支援(リワーク)」というタイトルで、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
2015(平成27)年12月より50人以上の事業場ではストレスチェックが義務化され、社会全体のメンタルヘルス対策が強化されることになりました。このことは、職場におけるメンタルヘルス問題がそれだけ深刻な状態にあることの裏返しでもあります。
一度うつ病を患うと、平均的には2~3ヵ月の療養を余儀なくされ、場合によってはもっと長期間の療養が必要になる場合もあります。おそらく、今までにそんなに長く職場を離れたことのない方がほとんどでしょうから、「一日も早く復職(早くリワーク)しなければ」「長期に休んで皆に迷惑をかけてしまった分、復職後(リワーク後)は頑張らなくては」と考え、復職を焦ったり(リワークを焦ったり)、復職後に無理(リワーク後に無理)をして、再発を繰り返すケースがかなり存在します。もちろん、大企業の一部で見られるように「ゆっくり復職(ゆっくりリワーク)してくれればいいから」と十分な配慮をしてくれる会社も少なからず存在しますが、多くの会社では人件費削減や効率性を重視する風潮の中での良い体制づくりが急務となっているため、ゆっくりとしたペースで職場復帰を考えて(リワークを考えて)もらえる余裕がないのが現状です。実際に「一人前の仕事ができるようになってから復職して(リワークして)ほしい。それができないなら会社に戻ってこなくても構わない」と会社の上層部の方に言われるような、厳しい現状もあります。そのような環境の中で、うつ病にかかり長期の休業を余儀なくされた患者様はもちろん、患者様を支える御家族までもが途方に暮れてしまうのです。この状況を打破するには、患者様と御家族だけで悶々と悩むのではなく、主治医や職場の産業医、人事労務担当がスクラムを組み、さらには社会資源をできる限り活用して、職場復帰を目指す(リワークを目指す)必要があります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。