2016年06月28日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の38回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムの背景と役割〗
■リワークプログラムとは
「リワーク」という言葉を、新聞や雑誌、学会等で最近よく目にします。英語で書けば“re-work”、日本語では“復職”という意味です。地域障害者職業センターで行われている「リワーク支援」の復職支援プログラム(リワークプログラム)が2002~2003年度(平成14~平成15年度)に障害者職業総合センター(千葉市)研究部門で開発された際に、「リワーク」という言葉が初めて用いられました。
復職を支援(リワークを支援)する復職支援プログラムの前身(リワークプログラムの前身)は、1997年(平成9年)にNTT東日本関東病院で始められた職場復帰援助(リワーク援助)プログラムです。
その後、リワーク関係者らも積極的に普及啓発運動を展開し、「リワーク」は新聞、テレビ、雑誌などに取り上げられてきました。しかしながら近ごろでは、「リワーク」という言葉が随所でさまざまな意味に使われ、概念が混乱しています。
■3つのリワーク
このようなことから、リワーク関係者らはリワークを、地域障害者職業センターで行う「職リハリワーク」、医療機関で行う「医療リワーク」、企業内や従業員支援プログラム(employee assistance program;EAP)などで行われる「職場リワーク」に分けて考えています。これら3つのリワークの違いを表1に示します。
◇表1 3つの「リワーク」の違い
◎職リハリワーク(行政系)
<実施機関>地域障害者職業センター
<費用>労働保険
<対象>うつ病休職者、事業主
<主な目的>復職支援プラン(リワークプラン)に基づく復職支援(リワーク支援+リワークプログラム)
◎医療リワーク(医療系)
<実施機関>医療機関
<費用>健康保険
<対象>うつ病休職者
<主な目的>精神科治療、メンタルヘルス疾患の再休職予防
◎職場リワーク(民間系)
<実施機関>企業内、EAPなど
<費用>企業負担
<対象>うつ病休職者
<主な目的>労働させてよいかの見極め
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。