2016年06月17日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職)支援」の40回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖うつ病から職場復帰する(リワークする)~休職から復職(リワーク)まで〗
うつ病と診断されたら、多くの人が“仕事辞めるべき?”と考えるでしょう。
しかし、「辞めるのではなく休む(休職する)事」が大事です。
“休んだらみんなに迷惑かけるから無理だよ…”と、うつ病になるくらい責任感があってまじめなあなた様は思ってしまうでしょう。ですが、うつ病と診断された時点で、本来の業務をすることが難しくなっている状態であり、すでにまわりの人たちに迷惑をかけてしまっていることを自覚しましょう。
うつ病という病気は、仕事を続けながら良くなるような、簡単なメンタルヘルス疾患ではありません。
思い切って休職することで、療養に集中できるので、仕事を続けるより休んだ方が、早くメンタルヘルス不調から回復できることが多くなっています。
◎就業規則に「休職」の規定がなかったら?
それほど大きくない企業では、うつ病休職者を雇い続けるのは、現実的に難しい場合が多いです。
そういった企業では、就業規則に休職についての規定がない場合もあります。しかし、規定がないからといって、すぐにクビということはありえません。もしも解雇されたら、労働基準監督署に相談しましょう。
◎復職のタイミング(リワークのタイミング)は?
うつ病で休職した場合、難しいのが復職のタイミングです(リワークのタイミングです)。
うつ病を発症する人は真面目で責任感が強い人ばかりですから、“いつまでも休んでいられない”“早く復職(早くリワーク)しなくちゃ”と、焦ってしまいがちです。
しかし、メンタルヘルス疾患が回復しないまま復職してしまう(リワークしてしまう)と、さらにうつ病が悪化してしまったり、再発を繰り返してしまう恐れがあります。
うつ病には「急性期」「回復期」「寛解期」「維持期」があります。
寛解期~維持期になったとき、“そろそろ働きたいかも”と思ったら、主治医に相談してみましょう。
主治医から、復職OK(リワークOK)の診断書を書いてもらい、復職診断書(リワーク診断書)を職場に提出します。
産業医による診察や主治医・労働者からの聴取など確認した上で、復職に向けた(リワークに向けた)話し合いがもたれることになります。
◎復職支援(リワーク支援)やリハビリ制度を利用する
主治医から復職OKの指示(リワークOKの指示)が出ても、いきなり週5日フルタイムの労働は無理があります。
リワーク支援とは、厚生労働省が支援する職場復帰支援であり、リハビリ制度とは、休職を終えた社員が徐々に仕事に慣れるようにメンタルヘルスを慣らしていく制度です。
こういった制度を利用している期間は、正式な職場復帰(正式なリワーク)とはみなされず、傷病手当金を受けている期間内でおこなうことがほとんどです。
職場によっては、アルバイトとして時給で賃金が支払われる企業もあるようです。
自分の会社にこういったリハビリ復職制度(リワーク制度)がないのなら、公的な復職制度を利用(リワーク制度を利用)してメンタルヘルスを慣らしていきましょう。
◎もしも休職期間内に復職出来なかったら(リワーク出来なかったら)?
会社には就業規則に休職期間が定められています。
その期間内に復職可能(リワーク可能)までメンタルヘルス不調が回復することができなかった場合は、休職期間満了時が雇用契約満了となり、自動的に退職となる場合が多いようです。
しかし、その会社の就業規則によりまちまちですので、必ず確認しましょう。
退職扱いとなってしまっても、雇用保険に2ヶ月以上加入していれば、傷病手当金を1年6ヶ月まで継続してもらい続けることができます。
その際、任意継続手続きが必要ですので、忘れずにおこないましょう。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。