2015年04月06日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の6回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リワークプログラムに必要(職場復帰支援プログラムに必要)な作業療法士の技術
■作業耐久性の改善を目的としたリワーク支援(職場復帰支援)
リワークプログラムへの参加(職場復帰支援プログラムへの参加)が可能になったリワークプログラム対象者の多く(職場復帰支援プログラム対象者の多く)は、強いうつ症状が現れる急性期を脱し、回復期を経て、維持期を迎える者が対象となります。休養や安静、薬物療法が主であったリワークプログラム対象者(職場復帰支援プログラム対象者)はうつ症状の軽減から非常に良好な状態であることが多いが、作業耐久性の低下は著しいです。したがって、リワークプログラムを開始(職場復帰支援プログラムを開始)した直後にうつ症状が再燃するリワークプログラム対象者(再燃する職場復帰支援プログラム対象者)や、疲労により身体症状がみられるリワークプログラム対象者(身体症状がみられる職場復帰支援プログラム対象者)も多いです。
これらの状況における作業療法の役割は、基本的な体力の改善と仕事をするための作業耐久性の改善を目的としたリワーク支援(作業耐久性の改善を目的とした職場復帰支援)です。作業耐久性へのアプローチでは静的活動と動的活動を各リワークプログラム対象者(各職場復帰支援プログラム対象者)の回復に合わせて導入します。量的な作業耐久性(作業量の向上など)のみではなく、質的な作業耐久性(作業の完成度など)も評価しておく必要があります。その評価をふまえて、軽度な負荷からしだいに中度、重度へと負荷量を調整していくが、その際も量的な作業負荷の増加だけではなく、質的な作業負荷の増加も合わせて調整しなければならないです。
その他の重要な留意点としては、うつ病患者様の多くに躁病エピソードがあるということです。この観点をふまえずに活動量を調整すると、知らぬ間に過活動(躁転)へと促してしまうことがあるため注意が必要です。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。