2015年02月28日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「ストレスと精神疾患」の6回目です。
【続き→】相互交流モデルの例をあげてみましょう。子どもの成長を考えたとき、子どもは家庭の影響を受けながら育つが、同時に子どもの気質が家庭に影響を与え、それがまた子どもの成長に影響します。音楽の素質を持った子どもがいれば、その子どもが音楽を学ぶ環境を周囲が提供して、さらに音楽の才能が伸びるといったことは、日常生活のなかでよく出会う現象です。
精神疾患の発症に関しても、職場での人間関係や仕事の負荷がストレス因子となってうつ状態になった人を考えてみると、抑うつ症状のために周囲の人たちとうまくつきあえなくなったことでさらに人間関係が悪くなったり、仕事が思うように進まずたまってきてそれが負荷になったりします。こうした相互交流モデルの理解にたてば、治療目的で環境調整をする際に、周囲の人に働きかけるのはもちろんのこと、患者様自身の言葉や行動、態度が好ましくない環境をつくり出していないかを考えながら、治療的かかわりを考えなくてはならないです。
本稿では、誘因ないしは契機であるストレス因子がストレス要因つまり精神症状ないしは精神疾患との関係、とくに相互交流モデルについて論じました。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。