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心療内科と心身医学(その5)
心療内科 精神科、千里中央駅直結「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身医学」の5回目です。前回に続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。
【続き→】人はこころpsycheと肉体somaとが一体をなすものであり、こころの健康(メンタルヘルス)なしには肉体の健康もありえないという立場をとり、広く臨床各科の疾患を心身の両面から総合的に病態把握し、それぞれが関与する因子の比重に応じて治療を行うのが心身医学で、精神身体医学ともいいます。
心身医学は、神経症における心身相関の研究に始まり、心身症を対象とするようになり、現在では総合医学へと発展しつつあります。その背景として、精神分析学の理論、学習理論などに基づくこころの健康への理解(メンタルヘルスへの理解)が可能となったこと、精神生理学や大脳生理学の進歩がみられたこと、医学の専門細分化に伴う身体偏重や器官偏重に対する批判および反省から、病気よりも病人を、個々の器官よりも全体をみるという立場が生まれてきたこと、管理社会や競争社会、あるいは人間疎外や価値観の多様化など社会環境の変化に伴う精神的ストレスの増加が目立ってきたこと、などが考えられます。
心身医学的治療法の特徴は、患者様に病気の情報をよくフィードバックし、自分自身の問題点をよく整理して分析したうえで解決させ、日常生活において自己制御(セルフコントロール)を図るように仕向けていくことにあります。
なお、日本では1960年(昭和35年)に日本精神身体医学会が設立され、1963年(昭和38年)には九州大学医学部で初めて精神身体医学講座が開かれ、診療科としての心療内科が設置されました。
以上、心療内科、千里中央駅「杉浦こころのクリニック」(千里ニュータウン・千里セルシー3階)の杉浦でした。