リワーク支援について(その19) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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リワーク支援について(その19)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅直結医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク支援について」の19回目です。前回に続き、リワーク支援職場復帰支援)について詳しく触れたいと思います。

【続き→】ここでは、「試し出勤」を復職支援手引きリワーク支援手引き)の考え方に準じたもの、すなわち症状や生活リズムはもとより、業務遂行能力についてもある程度の回復が見込まれる段階にまで至っている労働者が、職場復帰リワーク)にあたって出勤や勤務に関する感触を確かめ、上司や同僚もどの程度の業務をこなせそうかの見通しを立てるといった、文字通りの「試し」あるいは練習の期間として扱い、その留意点をまとまます。
「試し出勤」については、制度設計が必要です。特に、次の2つについては、労使の協議などにより、あらかじめ書面に規定し、事業場内に周知しておくことが不可欠です。
①休業中は通常労災補償の対象外であるため、通勤や作業中の事故等の補償をどうするか。
②たとえ軽微な作業であっても、管理者の指示で行うものであれば(さらに当該部署の成果に関連するものであれば)、それは賃金の支払い対象となる労働とみなす必要があるとも考えられるが、それをどのように整理するか。
前者については、特別な保険に加入することで労災補償の代わりをしているところがあります。また、後者については、労使との協議により、一定の賃金を支払っているところがあります。
仮に「試し出勤」制度を設けたとしても、休業したすべての労働者に職場復帰前リワーク前)に「試し出勤」を課すことはできないです。「試し出勤」制度を運用するためには、以下の三つの要件が全て満たされる必要があるとされています。
③本人が主体的に参加する意思を有していること。
④主治医が理解をしていること。
⑤産業医が関与していること。
また、試し出勤の期間(とくに上限)を決めておくことも重要です。試し出勤の目的を上記のようにすると、自ずとおおよその期間が決まってくるでしょう。職場の諸事情によって、多少の長短はあってよいであろうが、通常は1ヵ月程度であり、半年以上となるような長期間は適切でないと考えられます。

個人情報保護への注意

上記の一連の活動においては、当該労働者の個人情報、とくにその中でも機微なものとされる健康情報が取り扱われることになります。関係者は、その保護につねに注意を払うことが求められます。当該労働者が、誰がどの範囲の情報を把握しているかがわかるような仕組みにすることが望まれます。労働者の健康情報の保護全般については、「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項について」などが示されており、随時参考にしたいです。
 
以上、心療内科千里中央駅杉浦こころのクリニック」(千里ニュータウン千里セルシー3階)の杉浦でした。

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