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メンタルヘルスケア(その9)

2015/03/11

皆様、おはようございます。心療内科 精神科千里中央駅直結医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルスケア」の9回目です。前回に続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。

【続き→】【「メンタルヘルス」の最近の傾向
政府が2010年6月に閣議決定した新成長戦略では、2020年までの目標として「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100%」が掲げられています。これを受けて、同年9月に職場での精神疾患を把握する方法を検討している厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」は、ストレス検査の義務付けを提言する報告書を公表しました。
報告書には、労働者のプライバシーが保護されること、労働者が健康の保持に必要な措置を超えて、人事、処遇等で不利益を被らないこと等を基本的な方針として、次のような仕組みを導入することが適当だと示されています。
『<報告書のポイント>
(1)一般定期健康診断に併せ、ストレスに関連する労働者の症状・不調を医師が確認する。
(2)面接が必要とされた労働者は産業医等と面接を行う。その際は、上記ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者に知らせない。
(3)産業医等は労働者との面接の結果、必要と判断した場合は労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べる。
(4)事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行う。
(厚生労働省報道発表資料2010年9月:「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」の報告書取りまとめより)』
以前に提出されていた報告書案では、健康診断の問診票にストレス検査の項目を追加して自覚症状を確認する形式が提案されていたが、自覚症状の有無や医師との面接の必要性を、医師が企業側に報告する形でありました。そのため「自覚症状のある労働者が不利益な取り扱いを恐れ、きちんとした検査はできない」など、プライバシー保護に関して懸念点があり、見送られていました。
今回の案はプライバシー保護を十分に考慮に入れ、ストレス検査を健康診断と別の枠組みにし、すべての企業が取り組みやすいようになっています。今後、労働安全衛生法改正の必要性やストレス検査に含める項目、検査費用の負担、医師の守秘義務などの問題も含めて議論していくのが望まれます。
 
以上、心療内科千里中央駅杉浦こころのクリニック」(千里ニュータウン千里セルシー3階)の杉浦でした。

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