2015年04月23日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の10回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】■不明確・不適切な業務指示
当該労働者の上司が多忙であったり、出張などが多かったりするために、本人とあまり接触ができず、上司としてはできる限りの声かけや業務に関する指示を行っているつもりではあっても、本人が気後れして、悩みや困難を相談できずにいる例は少なくないです。そうした場合は、上司の代行役を指名することなどの工夫が望まれます。
■不十分な評価
業務の指示が丹念になされても、それを当該労働者が遂行できたかどうかの確認が確実に行われないと、職場復帰プラン(リワークプラン)の適切な見直しができないです。ひとまとまりの業務ごとに本人と上司がその結果や経緯を話し合うことに加え、上述した職場再適応支援チェックリストの類を用いることなどによって、総体的な業務遂行能力の回復状況を確認し合うのも有用です。
■「手のひらを返した」ような対応
上司によっては、職場復帰時(リワーク時)および復職当初(リワーク当初)は、手厚い業務の軽減や声かけなどを行うが、本人の業務遂行能力が予想したほど速やかに回復しなかったり、欠勤がみられたりすると、「これほど配慮をしているのに」といった感情から、急に冷淡な態度をみせる場合があります。職場を管理する立場の苦労を慮ると、理解ができないことではなく、また負担のかかっている当該労働者の同僚への配慮に起因しているのかもしれないが、そうした対応は決してよい結果をもたらさないです。
したがって、上述したように、メンタルヘルス不調の場合、骨折などと異なり、回復過程には波があり、個人差も大きいことを職場復帰時点(リワーク時点)でよく確認しておくことが重要となります。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。