2015年04月09日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の9回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■課題行動が生じた際のフィードバック
リワークプログラムでは(職場復帰支援プログラムでは)リワークプログラム対象者(職場復帰支援プログラム対象者)のさまざまな課題行動が発生します。それらの課題行動を丁寧に観察し、リワークプログラム対象者自身(職場復帰支援プログラム対象者自身)へ必ずフィードバックすることが作業療法士には求められます。そして、フィードバックのみで終えるのではなく、発生した課題を客観的に整理することで職場復帰支援(リワーク支援)します。可能であれば、課題行動が発生したその場で即時に認識を促すとより効果的です。
リワークプログラム対象者の多く(職場復帰支援プログラム対象者の多く)は、課題行動を行っている最中にその課題行動を客観的に認識することが困難であり、扱わなければ認識せずに経過してしまいます。課題行動によって発生したストレスは、スタッフへの不信感、不満感などとして表出されることも多いです。また、それらはリワークプログラムの継続(職場復帰支援プログラムの継続)にも影響を及ぼすため、注意が必要です。リワークプログラム対象者の状況(職場復帰支援プログラム対象者の状況)を確認し、即時フィードバックが難しいようであれば、あらためて時間と場所を設定し、的確にフィードバックしなければならないです。
その際の対応として、個別で対応するのであれば、過去の休職に至った経緯を確認し、今回の課題行動と照合させながら、課題行動を客観的に振り返ってもらいます。また、集団で対応するのであれば、リワークプログラム対象者の意見(職場復帰支援プログラム対象者の意見)とそれに対する他者の意見を同時に引き出し、その事象が職場においてどのように作用するかを客観的に検討します。これにより、これまでには認識できなかった観点が多く出されるため、行動が変容しやすい状況となります。しかし、この介入はリワークプログラム対象者にとって(職場復帰支援プログラム対象者にとって)は非常に痛みを伴う作業となり、その後に体調不良を訴える者もいるため注意が必要です。また、課題行動が発生するタイミングとしては他者との協業時に発生することが多いため、他のリワークプログラム対象者への配慮(職場復帰支援プログラム対象者への配慮)も欠かさず行い、リワークプログラム対象者本人(職場復帰支援プログラム対象者本人)や他者に不利益が生じないように配慮すべきです。
その他、リワークプログラムの開始時期(職場復帰支援プログラムの開始時期)の対応として、課題行動への対応内容をしっかりと伝え、それらもリワークプログラムの一部(職場復帰支援プログラムの一部)であることを説明しておくことが必要です。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。