2015年03月31日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「リワークプログラム」というタイトルで、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
〖職場復帰支援プログラム (リワークプログラム)とは何か〗
●リワークプログラム(復職支援プログラム)と復職準備性(リワーク準備性)
近年、ストレス関連疾患によって休職に至った患者様を対象とした職場復帰支援プログラムの取り組みが盛んになっています。このプログラムは“リワークプログラム”と称されます。
「リワーク」の初の試みは、1997年にNTT東日本関東病院が医療機関において作業療法の枠組みで始めた職場復帰支援プログラム(RAP)に遡ります。当時のRAP(復職支援プログラム)の取り組みは、現在と比較すると盛んではなく、限られた施設や機関でのものでした。しかし、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、従来のうつ病とは異なる非定型のうつ病が報告されるようになり、しだいに職場復帰支援プログラムの必要性(リワークプログラムの必要性)が高まりました。
うつ病患者様の入院治療では、症状が落ち着くとすぐに退院や復職(リワーク)をし、その後、短時間で再休職したり再入院に至るケースが認められます。ストレス関連疾患に罹患し、その後に症状が改善したからといって、復職直後(リワーク直後)から仕事ができるようになるということはないです。良好な復職を果たす(リワークを果たす)ためには、復職のための準備期間(リワークのための準備期間)が重要であることが明らかになったのです。リワークプログラムは復職する(リワークプログラムはリワークする)ための準備をすることであり、近年では非常に重要な役割を担っています。
リワークプログラムの目的(職場復帰支援プログラムの目的)を「復職準備性の確認(リワーク準備性の確認)」としているが、復職準備性とは(リワーク準備性とは)、“仕事ができるレベルの病状の回復度”です。
◇《リワークプログラムの目的(職場復帰支援プログラムの目的)》
1.復職準備性の改善(リワーク準備性の改善)
2.「患者」という立場と「社員」という立場の自己コントロールを支援
3.復職の判断(リワークの判断)が適切に行われるように情報提供
4.早まった復職(早まったリワーク)と復職後(リワーク後)の再発予防
5.患者の改善の過程に応じた適切なアドバイスや援助
6.治療機関と会社における援助が円滑に進行するための情報提供
7.参加メンバーの支え合いを支援
8.自己認識への促しによって自己コントロールができるように援助
9.状況改善と周囲との関係を良好なものへと促す
10.患者を取り巻く人々のスティグマ(ネガティブな偏見)を改善
※リワークプログラムでは(職場復帰支援プログラムでは)、復職に伴って(リワークに伴って)発生するストレスに耐えうる体調と、復職に必要な(リワークに必要な)作業能力全体の改善を促すことが最も重要な目的とされています。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。