2015年02月24日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「ストレスと精神疾患」の2回目です。
【続き→】ストレス因子が精神疾患の発症に及ぼす影響については、ドイツ精神医学とアメリカ精神医学とでは両極端にあるといえます。
記述的精神医学の流れであるドイツ精神医学では、ストレス因子が発症に関与する程度によって精神疾患を内因性、心因性、身体因性に分けてきました。内因性というのは、心理的なストレス因子が存在しなくても脳内の変調で発症する疾患で、統合失調症や双極性障害(躁うつ病)が代表的なものです。心因性疾患は、ストレス因子が発症に関与している精神疾患であり、神経症性疾患が代表例です。身体因性というのは、器質的な要因が関与している精神疾患です。
一方、精神分析の影響を強く受けたアメリカ精神医学は、こころのなかの葛藤が精神疾患の発症に影響しているという立場をとっていました。そのために、アメリカの診断分類であるDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)‐Ⅱでは、すべての精神疾患がreaction(反応)として表記されていました。つまり、ストレス因子に対する反応として精神疾患を理解していたのです。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。