2015年02月23日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「ストレスと精神疾患」というタイトルで、ストレスについて詳しく触れたいと思います。
一般にストレスという用語は多義的に使われているが、専門的には心身の負担となっている要因であるストレス因子と、その負荷に対する心身の反応であるストレス反応のいずれかもしくはその両者を意味するものとして使われます。
このストレスという用語は1950年代にハンス・セリエが提唱したもので、心身の負担になるような刺激を受けて心体の内部に生じた緊張状態を指すものでした。セリエによれば、この緊張状態は視床下部‐脳下垂体‐副腎皮質系を介した特異的な反応(汎適応症候群)であるとしています。つまり、ストレスという用語は、最初はストレス反応を意味していたが、その後しだいにストレス因子を意味して使われるようになってきたといえます。
ちなみに、精神疾患を考える場合、ストレス因子は誘因ないしは契機といった言葉で置き換えることができるだろうし、ストレス反応は症状という形で現れると考えることができます。そこで次回以降、主にストレス因子が精神疾患の発症にどのようにかかわると考えられているかについて解説することにします。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。