非定型うつ病について(その52) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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非定型うつ病について(その52)

2015年02月22日 

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】●人間関係療法
人間関係療法は、認知行動療法と並んで、その効果が実証されている精神療法のひとつです。問題を人間関係に絞り込んで、その患者様にとって最も身近で大事な他者との関係性を改善していくものです。一口に人間関係といっても、職場や家族や地域やサークルなど、人との付き合いは広くていろいろな関係がありますが、この人間関係療法では最も親密な関係に絞ります。例えば、妻、夫、恋人、親子、兄弟、親友といったきわめて重要な他者との関係において、過去ではなく現在の関係に焦点をあてて治療を行うものです。
人間関係をめぐるトラブルは、うつ病を発症させる重要な因子のひとつになっており、特に非定型うつ病の患者様は、感情が過敏で人間関係に悩みやすく、それが病気の引き金になっていることがほとんどです。発病すると、家族など身近な人との人間関係に影響を与え、トラブルを生んで、それがまた病状を悪化させる要因にもなります。非定型うつ病の患者様にとって、対人関係の不安解消は病気回復の第一歩にもなります。そこで人間関係療法においては、他者との関係における「感情のもつれ」「葛藤」「力関係の変化」「普通でない離別や死別経験への反応」などをテーマにして、治療者は患者様と十分な会話を重ねながら、カウンセリングを行います。非定型うつ病の人は、人と接することが苦手だったり、親しい人間関係をつくれないことについては、対人関係の欠如によるものではないかと考えがちですが、意外にも役割の変化が原因だったりします。いずれにしても、人間関係における適応能力を高めることによって、こころの病気を改善していくのが人間関係療法の役割だと思います。なお、この人間関係療法は、もともとはうつ病を治療するために開発された精神療法ですが、摂食障害にも有効であるという報告もあります。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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