2015年02月21日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】認知行動療法は、近年海外でも盛んに行われるようになってきており、これまでの研究でも、その治療効果が科学的にも認められ、薬物療法と同じくらいの効果があることがわかってきました。うつ病をはじめ、さまざまな精神障害に効果があることが、世界的にも認められており、アメリカやイギリスでは軽症うつ病や不安障害の治療において、認知行動療法が第一選択肢になっているほどです。
最後に、認知行動療法を薬物療法と比較した場合の効果について触れると、非定型うつ病の場合、MAOI(フェネルジン)を使った薬物療法と同じくらいの効果があったという報告があります。有効率では、非定型うつ病に対して行われた認知行動療法の有効率は58%で、フェネルジンを使った有効率58%と同じでした。では両者を併用した場合ですが、非定型うつ病での調査はなく、慢性うつ病患者様の場合での調査でみると、さらに高い有効率であったことがわかっています。また、虐待や両親との離別を経験した患者様では、薬物療法よりも認知行動療法の方が高い効果が出ています。こころの傷が深いほど、認知行動療法の効果は高いことがわかりました。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。