2015年02月15日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身症」の5回目です。
【続き→】心身症はストレス時代といわれる最近になって急速に注目を集めている病気であり、この問題を考えるときにも「ストレス」というのが一つのキーワードになっているようです。
心身症とは日常のストレスが主要な原因となって起こると考えられる身体的な病気を総称してつけられている名前です。つまり、基本的には身体の病気なのですが、よくよく考えてみるとストレスと強い結びつきがあって、治療にもそうした理解が必要な病気ということです。神経症が実際には身体への異常がないのに対して、心身症は実際に身体に異常が生じていることに大きな違いがあります。
例えば代表的な例は胃潰瘍(いかいよう)で、これは医学的にいうと胃がただれてしまって強い痛みやムカムカ感などが出てくるという病気です。基本的には胃酸が出過ぎたりして、自分の胃を逆に痛めてしまうことが身体的な原因です。もちろん、治療は内科で行われています。ただ、この胃酸の出過ぎなどがストレスによってひき起こされることがわりと多いのです。仕事疲れや責任の重圧や対人関係の苦労など、日常はストレスに満ちあふれています。心身症などとわざわざ言わなくても、私たちはこうしたことでお腹の調子が悪くなることを実際に体験していますし、話を聞けばああなるほどとすぐにうなづける話だと思います。こうした病気を総じて心身症とまとめているわけです。
そこで大事な点は、このような流れがあって胃潰瘍になっている場合、薬で胃潰瘍を治したとしても、同じストレスの中にいれば、いずれまた同じ状態になってしまうということです。内科で胃薬をもらうのは結局その場しのぎでしかなく、問題の本当の解決にはなっていないわけです。そこで最近登場してきたのが心療内科という分野です。つまり内科の治療だけでは不十分だし、かといってもともと身体の病気なので精神科でも治療が十分にできないということで、その間に生まれてきたのが心療内科なのです。心療内科のスタンスとしては基本的には内科であって、よりこころとか社会的なストレスなどについて配慮のある治療をしてくれるというのがだいたいのところです。もちろん、これにも幅があって精神科に近い医療までしてくれるところもありますし、逆に内科とほとんど何も変わらないという状態のところもあるようです。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。