2015年02月09日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】●抗不安薬
■ベンゾジアゼピン系抗不安薬
非定型うつ病は、不安障害を併発することが多いため、抗不安薬がよく処方されます。抗不安薬は緩和精神安定剤ともいわれ、神経の興奮や不安を抑える神経伝達物質GABA(ギャバ)を活性化させて、不安や緊張、抑うつ気分を穏やかに改善する効果があります。抗不安薬には種類が多くあり、それぞれ特徴がありますが、非定型うつ病にはベンゾジアゼピン系抗不安薬が使われます。このベンゾジアゼピン系抗不安薬は、パニック発作にも効果を発揮するため、パニック障害を併発することが多い非定型うつ病の患者様にはよく使われます。三環系抗うつ薬やSSRIは、効果が現れるまでに2~4週間と時間がかかるのに対し、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は服用して早い段階で効果が現れるため、発現した症状をすぐに抑える薬として使用されます。主なベンゾジアゼピン系抗不安薬には、ロフラゼプ酸エチル、アルプラゾラム、ロラゼパム、フルトプラゼパムなどがあり、中でもロフラゼプ酸エチルとフルトプラゼパムは、長期作用性の薬で、効果が長く持続します。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用としては、倦怠感、ふらつき、眠気、攻撃性、動作が鈍くなる、不器用になる、記憶力の低下、注意力の低下などがありますが、より問題なのは依存性が生じやすい点です。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、症状が改善したからといって、急に服用をやめると、離脱状態(禁断症状)が出たり、また再発しやすくなります。したがって、勝手に服用を中止せず、医師の指示のもとに、ゆっくり時間をかけて減薬していくことが大切です。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。