非定型うつ病について(その45) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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非定型うつ病について(その45)

2015年02月08日 

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】■セロトニン1Aアゴニスト
セロトニン1Aアゴニストとして用いられている薬にはセディール錠(一般名:タンドスピロンクエン酸塩)があります。アゴニストというのは、受容体に結合して神経伝達物質(ここではセロトニン)と同じ働きをする薬のことで、日本語では「作動薬」と呼ばれています。セディールの主な作用としては、脳内セロトニンの作用部位を特異的に刺激して、抗うつ作用や抗不安作用があるほか、心身症神経症における不安や焦り、睡眠障害、恐怖感などの症状を改善します。アメリカにおいてはセロトニン1A作動薬が非定型うつ病に対して有効であることが報告されており、日本ではセロトニン1A作動薬はセディールのみです。1日60mgの併用で、非定型うつ病に対する抗うつ薬の増強効果が期待できます。
特徴としては、安全性が高く、依存性や相互作用はほとんどなく、効果発現までに時間がかかります。副作用としては肝障害が現れることもありますので、注意を要します。ときには、眠気、頭痛、ふらつき、動悸、頻脈、嚥下困難、発汗、吐き気、食欲不振、腹部膨満感、皮膚の発疹、かゆみなどがありますが、重篤な副作用ではありません。相互作用としては、カルシウム拮抗剤系降圧剤を飲んでいる人の場合、影響し合って、降圧剤の作用が増強されることがあります。また、興奮や発汗、発熱などの症状を伴うセロトニン症候群を来すことがあります。1日3回内服しますが、服用上の注意点としては、症状によって服用の量や飲み方も加減されますので注意が必要です。また、長期間服用したり、増量をしても良くならない場合は、それ以上効果が期待できませんので、漫然とした連用は避けるようにします。眠気やめまいなどが起こることがありますので、薬の服用中は危険な作業や車の運転などは避けるようにします。
 以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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