2015年01月22日
皆様、こんにちは。心療内科(千里中央駅・千里ニュータウン・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。今回は「心療内科はどんな科?」の5回目です。
【続き→】エンゲルは20世紀後半に当時主流であった特定病因論にもとづく医学である「生物医学的モデル」の限界を指摘し、疾患を理解するには病気を持った個人の解剖生理学的異常だけでなく、心理や社会といった多面的な視点からの理解が必要であることを主張し、この新しい医学モデルを「生物心理社会学的モデル」という名前で呼びました。たとえば風邪という疾患を生物医学的モデルでとらえるとウイルスによって引き起こされた上気道の炎症となりますが、生物心理社会学的モデルからみるとそれに加えて患者様の手洗いやうがいの習慣、疲労や睡眠不足、大気の乾燥や患者様との接触などといったいろいろなものの関与も含めて理解するということになります。こういった医学モデルは心身医学において中核をなす概念と考えられています。